- Amazon.co.jp ・電子書籍 (182ページ)
感想・レビュー・書評
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不安定で低賃金の仕事をしている17人への取材を通して、日本の格差や貧困問題を明らかにした本。
一度下がると容易に抜け出せなくなるほどの強烈な格差。表には見えにくい現代日本の姿がよくわかります。適度な範囲を逸脱した格差に対する対策が政府に求められているのですが…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
常々チェックしているルポライター増田明利の本。
今回読んだのは風俗・飲食・ホームレス等の職業にスポットを当て、その職業の従事者毎に仕事とお金を中心とした生活ぶりを紹介していく本書だ。
とりわけ印象深かったのが後半にある著者自ら体験したという「年末年始の短期アルバイト」のセクションだ。そこでの著者のコメントにハッとさせられる。
「多くの人がやってみたい、面白そうだと思う仕事と、こういうことはやりたくないという仕事の違いははっきりある。もっと露骨に言えば賃金によってその仕事の価値がランク付けされているじゃないか。」
真実とは思いたくないが、世の中の現実を突きつけられたような言葉だった。 -
様々な底辺(失礼)職種についた人のインタビューによってなぜその立場になったのかが語られる。人って一度至った立場からはなかなか抜け出せない。どこからポイント・オブ・ノーリターンになるのか…ソープランドのボーイから働きを認められて出世し、金をためたところで故郷に飲食店を開いた人の話は頑張ったのだなあとちょっとほっとする。