リクルートの すごい構“創”力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド (日本経済新聞出版) [Kindle]
- 日経BP (2017年5月25日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (223ページ)
感想・レビュー・書評
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なぜリクルートが新規事業を立ち上げて、世の中の変化についていけているのか、それは「リクルートだから」ではなくて、「リクルートにそれが出来る仕組みがあるから」という観点で、事業立ち上げから成長させるまでのプロセス、フローを記載されています。
よくここまでノウハウが構築されているなーという驚き。
別に新規事業だけでなく既存事業を育成する観点、いま取り組んでいる日々の施策においても、非常に勉強になる内容が多かったです。
特に読んでいて「正しいと分かったことに振り切るときのスピードと組織力」を強く感じました。
負けたくないですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新規事業となると0→1を想起するが、1→10の重要性も説いている。リクルートの構創力とその仕組み化が、ここまで公開して良いのかと思うくらい知ることができる。新規事業に携わる際は必読
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リクルートが立ち上げた事業が
ホットペットビューティー、スタサプなどあり、
それは全て不の解消からスタートしていて、
そして事業が0→1、つぎは1→10まで想定するように考えられている。
さらに働く人が何度も挑戦できる環境もあることも驚いた。
トップダウンの方針の企業がリクルートの事業の方法を取り入れたら大きく変わるだろうと思った。
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・リクルートのイノベーションを生み出し新規事業を創出、維持、成長させる手法
・リボン図(マッチングモデル)
・蝶ネクタイのような形で、左右両端のリボンの幅を広げ中央の結び目も最大化させることで、マネタイズを図る
・左側に「カスタマー」、右側に「クライアント」
・集める力(収集力)
・動かす力(喚起力)
・結ぶ力(決定力)
・【ステージ1】「0→1」-「不」を発見し、事業性を見極める
・「不」の発見
・単なる小さな「不」ではなく既存の産業構造を変えるような「不」
・これまで見過ごされていたが誰も着手していない「不」
・「不」を解決することで収益になる
・テストマーケティング
・New RING(インキュベーション)
・関所(この時期までに理想状態に達しなければ撤退)を段階的に設計
・シリコンバレーのベンチャーキャピタル支援を模し、あらゆるネットワークを駆使して、必要リソース(人や金、情報)を支援
・【ステージ2】「1→10」(その1)-「勝ち筋」を見つける
・マネタイズの「勝ち筋」を見つける
・誰の、どの「お財布」から支払われるのかを突き詰める
・どの予算をどれだけ削減し、その削減分のうちどれだけ当事業にあててもらえるのか
・組織体制も含めたコスト優位性と継続性を兼ね備えたオペレーション
・「フィジビリ」で「価値KPI」を探し出す
・最終目標値に達するために最も因果関係の強いKPIを探し出す
・KPIは数値が安定的、継続的に取れるものに設定
・できる限りKPI数はひとつだけ
・「ぐるぐる図」を回す
・現場とマネジメント層双方で、成功事例を組織全体に活かせるよう言語化し転用する
・【ステージ3】「1→10」(その2)-爆発的な拡大再生産
・「価値マネ」をしつこくやりきる
・「型化」を突き詰める
・ 小さなS時を生み出し続ける -
本棚の断捨離で、手放す前でに読書メモ。
事業開発の仕事に携わるタイミングで本書を手にした。イノベーションや事業開発に関わる仕事をしていれば、必ずといって出会う、リクルート出身者。
彼らが基本の型としている方法論を学びたくて、本書を手にした。
カスタマーとクライアント双方の課題をマッチングするリボンモデル、ニーズよりも不の発見、価値につながるKPI設定など、聞いたことはあるけど、実のところどんな話なの?と思っていたポイントを、整理してくれている。
著者はBCG日本代表で、どろくささもある日本のイノベーションモデルを体系的に整理してくれている。新規事業を「仕組み」で考えたいと思ったときに、また本書のお世話になろうと思う。 -
リクルートの構想力をBCG日本法人社長が解説した本書。内容以前に構成は馴染みのあるモノでさすがプロコンサルタントという印象。
一番印象に残るのがリボンモデルの考え方だ。リクルートはプラットフォームという言葉が一般化する前から、このリボンモデルでビジネスを成立させてきたんだということがわかる。まずは潜在的な顧客を「集めめ」、彼らを訴求することで「動かし」、そして最終的にはクライアントとカスタマーを「結ぶ」という、まさにプラットフォームの働きをしている。
内容は素晴らしいと思ったが、正直今の自分にどういう価値のある考えなのかがピンと来ないため、高評価には至らなかった。また本書が役立つ日がくることを願っている。 -
リクルートがどのように事業を立ち上げるか、非常に勉強になります。
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2020年2月③
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リクルートの事業開発のやり方がまとめられています。
科学的なアプローチ、誰でも結果を出せる仕組みづくり。現場とマネジメントの役割分担。どれも素敵。
ただ、スタートアップで働いてる身なので、ここまでたくさんのリソースを前提とするやり方は真似できないなあと思います。こういう企業相手にもっとスピードで勝っていかないといけない。 -
リクルートはサービスは知ってるけど、なぜそんなに人気ある会社なのか分からなかったが、こうした仕事を創る力を養えるという意味で合点がいった。仕事を創るプロセスは直観ではなく非常にシステマチックで、とても参考になった。
●ポイント1
リボンモデル
クライアントだけでなく、その先にあるカスタマーにも着目し、両者を「集める」「動かす」「結ぶ」の順序で両側から繋ぐ
●ポイント2
3つのステージと9つのメソッド
【ステージ1】0→1:世の中の”不”をアイデアへ
<メソッド①>不の発見
・あるべき社会の実現につながる、潜在的な「不」を探す
・「不」を生んでいる産業構造の暗黙のルールを突き止める
・「不」を解決するための、新たなお金の流れを見つけ出す
<メソッド②>テストマーケティング
・本当に人の心を動かす事業アイデアなのかを検証する
・顧客がお金を払ってでも解決したい課題なのかを検証する
・検証を段階的に設計し、規模を拡大しながら次へ進める
<メソッド③>New RING(インキュベーション)
・ボトムアップによる新規事業の起案を称賛する
・アイデアを事業へとブラッシュアップし、軌道に乗せる
・起案者の「志」を尊重し、実現への覚悟を問い続ける
【ステージ2】1→10前半:勝ち筋を見つける
<メソッド④>マネタイズ設計
・誰が、なぜ、いくらで、どの予算で、買ってくれるかを突き止める
・ユーザーの行動、顧客の売上、自社の活動を方程式でつなぎ込む
・市場を継続的に成長させることができる、お金の流れを作り出す
<メソッド⑤>価値KPI
・事業の価値を上げるカギとなる指標を、顧客の評価から探し出す
・価値KPIへの因果関係の高い、実際の行動を探り出す
・全員での高速なPDS(Plan-Do-See)によって、指標と行動の仮説を変更し続ける
<メソッド⑥>ぐるぐる図
・現場からの市場変化の兆しを経営へとつなぎ、縦の知恵を回す
・異なる役割の人材が平行して洞察を加え合い、横の知恵を回す
・現場に勝ち筋への兆しがなければ、潔く撤退の決断を下す
【ステージ3】1→10後半:爆発的な拡大再生産
<メソッド⑦>価値マネ
・KPIによって目標の優先順位を絞り込み、意識と行動を集中させる
・PDSを日常の活動に組み込み、「なぜ」をマネジメントする
・価値マネの結果を、現場の「型化」と、サービスの「改善」に活かす
<メソッド⑧>型化とナレッジ共有
・成功事例を生み出した行動を分析し、「型化」して組織へ横展開する
・「型」は活用例を共有することで理解を深め、一気に全体展開する
・「型」は均一化が目的ではなく、「型」を超えた次への挑戦につなぐ
<メソッド⑨>小さなS字を積み重ねる
・現場の情報からいち早く、正常の減速を捉え、次の一手へ進める
・改善をスピーディーに試し続け、大きな変革の「てこ」を見つける
・できない理由を突き詰めることから、できるための資源を考える -
リクルートで育ち、離れ、曲がりなりにも経験とスキルをつけた状態で読むと、とても腹落ちする。体系的に整理されていることがわかりやすく、また、整理された情報の行間・コンテクストを身体で覚えているがゆえに更に分かりやすい。
新規事業の立ち上げ方、グロースのさせ方という意味での示唆がもらえた。 -
この本に書いてある考え方や行動特性を組織としてどれだけ規模が拡大しても維持し続けられているのは奇跡だと思う。中の人が読んでもまとめ、振り返りの観点で参考になる一冊。