リウーを待ちながら(1) (イブニングコミックス) [Kindle]

著者 :
  • 講談社
4.10
  • (18)
  • (23)
  • (10)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 209
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (196ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 富士山麓の風光明媚な横走市という、自衛隊駐屯地のある人口89,311人の比較的小さな街で、ある日突然に感染症らしき病気が発生する。
    題名の「リウー」とは、カミュの『ペスト』に登場する主人公医師リウーのことを指す。ペストに襲われた港町オランで、逃げ出すこともせず淡々とペスト患者たちに寄り添い続けた医師である。
    このマンガの主人公玉木涼穂は、無愛想で正論を吐くタイプの医師なので、そういう意味ではこの作品のリウーの役割だろうか。
    ウズベク-キルギス大震災救援活動において、自衛隊病院から派遣された駒野門次二佐は、現地でペストによって全滅した村を目撃していた。
    現地から戻った自衛隊員により、横走市にペストが持ち込まれたということになる。
    カミュの『ペスト』では、腺ペストが流行した後、変異により肺ペストが発生する展開だったが、このマンガではいきなりヒトーヒト感染をする肺ペストが流行する。
    その理由については疫研の研究員原神さとるによれば、中央アジアには肺ペスト菌をばらまくタルバガンというマーモットがいるらしい。
    発症から1~2日で100%死ぬという強毒性の感染症でありながら、状況からするとその感染力もまた非常に高い。
    第1巻では感染者第一号の発生から院内感染、さらに市中感染と、瞬く間に広がっている。
    新型コロナ禍のただ中にいる我々から見ても、こんなに強毒性が高くて感染力が高かったらさぞかしパニックになるだろうなと思う。

  • どこにでもある普通の地方でペストが大流行してしまうなか、無愛想な正論バカ女医が駆け回る! むちゃくちゃハラハラ緊迫感がすごい……。最悪の事態を想定して政治的な駆け引きに先回り行動する医者がカッコいい。
    絵柄も好き、これはすごいぞ

  • なんじゃこりゃ。ソッコー作家買いした。
    駐屯地ある御殿場をモデルにした架空の町に、ペスト発症。机上のパンデミックなんて悠長なこといってらんないスピード感。

  •  タダ読み( ´ ▽ ` )ノ

     自衛隊駐屯地の町・横走市で、支援部隊がキルギスから持ち帰った肺ペストウイルスがアウトブレイクを起こしてしまうという、病気パニックもの。

     パンデミドラマテンプレの展開が続き、次に何が起こるのかうすうす予想がつくので「ああこれはヤバい」「ああそんなことしちゃダメ」と、ドキドキハラハラしながら読み進められる。
     コロナも怖いけど、ペストはもっと怖いね(>_<)
    2024/02/23
    #4952

  • 怖い。じくじく怖い。
    コロナ収まったとしても、見えない敵と戦う怖さを忘れちゃなんねえ。そのうち紙で買おう。

    そのうち実写化しそうなマンガだけど、映画よりも連ドラでじっくりと見たいな。
    インハンドの縁でTBSでもよさそうだけど、この緊迫感はCMなしで見たい。
    NHKかWOWOWでお願いします。

  • DMMブックで購入。コロナ流行期だからこそさらに注目されている、ペストの流行が発覚した日本の一地域のストーリー。フィクションだからと展開を期待する半面、「奇跡は起きない」の言葉の中で、容赦ない現実も繰り広げられる。

  • 以前はブラックジャックなどの医療サスペンスのマンガを読んでいたが
    このマンガはこのコロナ禍の中、身につまされるものがあった
    タイトルのリウーの意味を知って手に取った人がどれぐらいいるのだろうか?
    それとも逆でリウーを知っていてこのマンガにたどり着いた人が多いのだろうか?
    私は後者であるが・・・

  • 全巻読みましたー!
    たった3巻だけとは思えない濃厚さ。
    コロナを予言してるとしか思えない内容でびっくりしました。
    正しいことをしようと立ち向かう玉木医師がカッコ良かった。

  • 『ペスト』のリウーとタルーを投影して読めるが、演出と作画で読ませる感じで脚本の深みには欠ける。

  • 日経プラス1(2020年5月2日)の「現場の奮闘リアルに描く 夢中になれる医療マンガ」を読んで、Kindleで3冊イッキにポチる。まさに、今の日本の状況が描かれていてびっくり。カミュの『ペスト』にインスピレーションを得ているだろうが、著者は世界がこんなことになるとは思ったいなかったと思う。今のこの息苦しさがリアルに表現されているし、医療従事者の苦労、苦悩もその通り。でも、本書では希望も見えていて、大切なのは誠実さだと。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

2010年、アフタヌーン四季賞冬のコンテストにて、準入選を受賞。
「アフタヌーン」にて2013年『ネメシスの杖』を、2016年『インハンド 紐倉博士とまじめな右腕』を連載。
医療サスペンスの新たな描き手として注目を集めている。


「2019年 『インハンド プロローグ2 ガニュメデスの杯、他』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朱戸アオの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×