神様の定食屋 (双葉文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 何度も、ほろっと来てしまった。
    実家の母が作ってくれる栄養たっぷりのあったかいご飯を食べた時みたいに、心が温まるお話。


    チキン南蛮の話を読んで、さっそくその日はチキン南蛮を作ってしまった。
    とにかく中村さんの紡ぐ料理の描写が最高で、読んでいて美味しい。
    こんど豚汁も同じ要領で作ってみよう。


    「酔っていたら水を飲ませて、辛そうだったら、あったかいもんを食わせて、胃の底からあっためて。」
    序盤のこの文章がとっても好き。
    本当、人の体って単純で、あったかいご飯で満たされることがよくある。
    仕事で辛かった時はよく実家に帰って母のご飯を食べながら泣いたことを思い出して、またほろり。


    同じような接客をする仕事身分として、理不尽なお客さんに対応する哲史の気持ちも、お客さま第一のサービスに綺麗な心で落とし込めなくなる気持ちも、ものすごく理解できた。
    2人偉いなあ。頑張ってるなあ。とまるで2人の両親のような心持ちで読んだ。

    人を想う気持ちが丁寧に描かれる、今生きている大切な人たちに、今すぐ想いを伝えたくなる一冊。

  • ちょっと未練のあるひとたちが、食を通じて想いを伝えるお話です。
    ちょっと涙が出ました。

    結局、一緒にごはんを食べるということは、同じ時間とおいしさ、その時の想い、いろいろなことを共有する場だと思うのです。
    こうした定食屋さんは、そうした場を提供できるお仕事だった、と改めて思います。いまでこそないですが、昔は仕事終わってみんなとちょっと繰り出すことが何よりの楽しみでした。金曜が待ち遠しい! そんな日がまたくるのでしょうか。

    この本を読んで、最近読んだ「ツナグ」を思い出しました。
    似ています。
    生きているときの、やり残し・後悔・想いを何らかの形で伝え、遺された人にどれだけ幸せだったかを、誤解がなかったことを伝えます。
    この本では料理で伝えるのですけど。

    人生は短いです。
    いい人生だった、といつでも言えるように生きていきたい、そう感じさせてくれるお話でした。
    けして暗いお話ではなく、とても明るいお話です。
    神さまも出てきますが、お酒好きな、それでいてちゃんとみてくれている頼もしいおじさん? かな?
    こんな神さまだったら、信じてもいいな。

  • 両親が突然事故死してしまった哲史・志穂の兄妹。両親が営む定食屋を手伝っていた志穂は、店を継ぐ決心をし、哲史に助けを求めてきた。妹思いの哲史は、会社を休職してまで店を手伝うことにしたのだが…。料理や接客が全くできない哲史は、気の強い志穂に叱られてばかり。すっかり落ち込んだ哲史が近所の神社で神様に愚痴ったところ、神様の計らいで成仏し損ねた霊が哲史に憑依。哲史の体を借りて現世に残した思いを遂げつつ哲史に料理指導を行うことになった。

    他愛ないストーリーなのだが、酒飲みながら読んだせいか、結構ウルウルきた。料理も美味しそうなものばかりで涎が出そうだった。続編も読もうかな。

  • 漫画ライクな設定と文体で気軽に読める作品。
    最近はこの手のちょっとホロリとさせる人情ものがよくある。簡単には感動しないぞと構えて読み始めたが、結局ググっと感動してしまった。
    やはり大きいのは美味しそうな料理ではないだろうか。もちろん各話の来客とのエピソード自体も良いが(どのエピソードもグッとくる)、そこに美味しいだけでなくその人のために作られた料理だから心に訴えるのだろう。

    世の中には原作の出来を台無しにするドラマや映画がよくあるが、是非この作品を映像化して美味しそうな料理を見せてほしい。

  • どのご飯も美味しそうだったなぁ。どの話もほっこりと優しい気分にさせてくれる。特に、梅乃さんと嫁の麻里花ちゃんのお話が好き。自分が嫌われる覚悟で物事を丁寧に教えてくれる梅乃さん(ツンデレ)みたいな人も、それをウザイと思わず感謝できる麻里花ちゃんみたいな人も少なくなって来たよな。それにしても、日本酒に絆されちゃう神様って(笑)

  • 「優しい話が読みたい」期間につき。
    神様がなかなか良いキャラな気がする。
    ユーモアのある文章に引き込まれて、うっかりするとあたたかい涙が滲む。そしてお腹が空く。

  • 良かったですね。ラノベ感があり読みやすいですが、私にとって、この物語はまさに「今」こういうのが読みたかった!そのものでした。
    出される料理の美味しそうなこと、この上なしです。

  • ご飯を作って食べる。やっぱり、それって幸せだ。

    近くにこんな定食屋があったらなーと思ったけど、お店をやっている人達はきっと、お客さんに美味しいって笑顔になって欲しいんだろうな。だから良いお店はきっとたくさんあるんだろうな。
    最近は前よりもすごく簡単だけど料理をするようになって、作るのって楽しいし美味しくできると嬉しいし、それをもし誰かに食べてもらって美味しいって言ってもらえたら、めちゃくちゃ嬉しいよな。
    ご飯はみんなを幸せにする。家族とか友達とか大切な人とご飯を食べたくなった。
    ただお腹が空いただけかもしれないけど。。笑
    温かい気持ちになれた本だった。

  • 丁寧に料理をして、丁寧に味わいたいと思った。

  • 軽い読み物。

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著者プロフィール

2016年『無欲の聖女』を出版して以来、『神様の定食屋』『地獄の沙汰もメシ次第』(双葉社)、『シャバの「普通」は難しい』『貴腐人ローザは影から愛を守りたい』(KADOKAWA)など多数手がける人気作家。圧倒的な登場人物の魅力と、爽快感あふれる展開に、読者から熱烈な支持を受けてやまない。Twitterアカウント @satsuki_nkmr

「2022年 『白豚妃再来伝 後宮も二度目なら 二』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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