BRUTUS(ブルータス) 2017年 12/1号[いまさら観てないとは言えない映画。]
- マガジンハウス (2017年11月15日発売)
- Amazon.co.jp ・雑誌
- / ISBN・EAN: 4910277511276
感想・レビュー・書評
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いまさら観ていないとは言えない映画特集。
所謂、「食わず嫌い」の映画版。
シネフィルだとか映画監督だとか、映画の専門家のような人たちが、映画を見るにあたって必修となるような映画を意外と観ていない。という切り口で特集。
インタビューされている人たちが、何故なんとなくその映画群から遠ざかるかの理由を聞くに、その人のポリシー価値観が分かる。塚本晋也が「正義が勝つ」というような戦争映画を敬遠する理由とかは、作品を作る上でのポリシーとリンクしている。西川美和が恋愛映画にあまり食指が動かないというのはあまり意識していなかったが、確かにそうなのかも。などなど。
ただ、やはり食わず嫌いなので、インタビューされる方々はその映画をしらないで、なんとなくのイメージで話しているので、このインタビューを見て、映画見たくなるかというと、そんなこともなくて。
食わず嫌いの人のその食わず嫌いの理由に対して、どうしたらその映画を見てもらえるかを、その映画が猛烈に好きな人に考えて提案してもらうと、面白かったのでは?と思った。
その意味では、渋谷直角さんの黒澤明の食わず嫌いと、あえて羅生門を観ての感想は、Before、Afterとして面白かった。
しかも、渋谷直角さんの黒澤明の食わず嫌いの理由は、私が黒澤を敬遠していた昔と全く同じで、観てみるとやはりすごいと思います。
他の対談でも書かれているように、蓮実重彦の影響もあって、黒澤明みなくても良いかなと思ってしまう気もします。小津、溝口、成瀬を抑えておけば良いというような。この方々ももちろん偉大で外れ作なしだと思いますが。黒澤はエンターテイメント性がある意味メジャーになっている部分があり、そちらがなぜかマイナス要素となる部分なのでしょう。
英ロックで、ビートルズがメジャーすぎて、時代によりダサいと扱われるような雰囲気に似ている気がしますね。
少し脱線してしまいました。
そのほかにも原作映画の原作との比較、など面白い企画ありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画特集「いまさら観ていないとは言えない映画。」