叢書 東アジアの近現代史 第3巻 日本人の朝鮮観はいかにして形成されたか [Kindle]

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  •  豊臣秀吉による朝鮮出兵以後の朝鮮と日本の事跡を資料を当たりながら丁寧に解読している。
    例えば神功皇后の印影が江戸時代にどのような象徴(ご利益)として扱われていたか等を取り上げ、日本人の朝鮮感情を読み解こうとする。

     筆者の論文集を再構成したものであるため全体通して主題である「日本人の朝鮮感」にどのような結論があるのかわかりづらい。

     考証学の限界なのかもしれないが、史書の中味を(あったと思われる)背景で解釈する時、どこまでを書物通り捉え、どこまでを背景からの逸脱と捉えるかが恣意的になりがちである。さらに、背景の考証を付け加える必要があると感じた。

     また、後書きに日本の中で「支配層と庶民」の格差に触れ、「庶民の背伸び」が負の効果を生んでいたと論述している。これは筆者は外交が民主国家の国民の手に負えないものだから、専門家やエリート層に任せておくべきというスタンスをもつと誤解させないだろうか。

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著者プロフィール

1958年 愛媛県に生まれる
1982年 京都大学文学部卒業
1991年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程中退
現 在 名古屋大学大学院文学研究科教授,博士(文学)
著 書 『近世日本と朝鮮漂流民』(臨川書店、1998年)
    『「唐人殺し」の世界』(臨川書店、1999年)
    『大君外交と「武威」』(名古屋大学出版会、2006年)
    『薩摩藩士朝鮮漂流日記』(講談社選書メチエ、2009年)
    『竹島問題とは何か』(名古屋大学出版会、2012年)
    『竹島 もうひとつの日韓関係史』(中公新書、2016年)

「2017年 『絶海の碩学 近世日朝外交史研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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