それほど多くない、実業団スポーツもの。
凄腕営業マンの挟土(33)は、突如出場するはめになった試合をきっかけに、5年間離れていた自社バレーボール部に復帰する。メンバーも少なく2部リーグの底辺をさまよっていたチームは、次第に往時の勢いを取り戻して行く。が、そこへ廃部の話が…。
バレーボールと野球という違いはあるが、設定に池井戸潤の「ルーズヴェルト・ゲーム」と共通するものがある。
「ルーズヴェルト」の方は企業買収に絡む思惑がメインで、野球小説としての面白さにはやや欠けていた。対してこちらはバレー部目線で、部員たちの奮闘努力が描かれている。
特に、挟土のような30代の選手が仕事とバレーを両立させる苦労は、学校の部活やプロを題材にした作品ではなかなか見ることのできない要素だ。
リアリティの程はわからないが、読んで良かったと思える漫画だった。残念ながら終わり方が少し駆け足気味に感じられ、あと2巻くらいの余裕がほしかった。