ロブスター スペシャル・プライス [DVD]

監督 : ヨルゴス・ランティモス 
出演 : コリン・ファレル  レイチェル・ワイズ  ジェシカ・バーデン  オリビア・コールマン  アシュレー・ジェンセン  アリアーヌ・ラベド  アンゲリキ・パプーリァ  ジョン・C・ライリー  レア・セドゥ  マイケル・スマイリー 
  • Happinet
3.21
  • (3)
  • (13)
  • (8)
  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 95
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953070554

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 以前観た『籠の中の乙女』が面白かったので『ロブスター』を借りてきた。サスペンスのコーナーに置いてあったからてっきりそうだと思ってたらディストピアSF映画やないか!笑

    今作もとても面白かったです。比較の対象として正しいかわからないけど『わたしを離さないで』はあんまり面白いと思わなかった。『わたしを離さないで』も『ロブスター』も、世界観や科学技術の設定がはっきりしないディストピアSFって点で共通してる。
    『わたしを離さないで』に限らず、文芸作品を映画化するとあんまり面白くならないとよく思う。元の小説を読めばいいじゃんってなるので。映画は映画で、映画なりの面白さがないと面白くならない。『ロブスター』には映画の面白さがしっかりとあるから面白い。

    先日『ヤングアダルトニューヨーク』を観て、主人公夫婦は子どもがいないというのが大きな要素のひとつだった。『ロブスター』は、パートナーがいないと人とみなされない社会のカリカチュア。どちらも社会の生きにくさを反映させている。
    カリカチュアと書いたけど、ヨルゴスランティモスの映画はちょこちょこと笑いが入っているのもいい。

    英語の作品は今作が初めてだったそう。前作はギリシャ人俳優のギリシャ映画だったけど、今回は有名な俳優たちを使って、ギリシャ以外の国の資本が入ってる。(ただし非アメリカ。)
    コリンファレルって色々スキャンダルがあったせいか低迷してて、ここ最近はこの人が出てるとだいたいB級映画であんまり面白くないことが多かった。
    『ファンタスティックビースト』なんかはコリンファレルのB級感を逆手にとったのか、扱いがひどすぎて笑った。
    ただ、今回はメタボ腹の中年役で非常によかったと思う。コリンファレルが久々に良い役をしたなあ!って感じ。
    ジョンCライリーやベンウィショー、レイチェルワイズ、レアセドゥら他の俳優さんたちもみんな良かったです。

    • 5552さん
      GMNTさん、こんにちは。
      この映画、面白かったですよね!
      観た当時『ぴあ映画生活』を見ていたら、「前作より大分落ちる」との評価が多く、...
      GMNTさん、こんにちは。
      この映画、面白かったですよね!
      観た当時『ぴあ映画生活』を見ていたら、「前作より大分落ちる」との評価が多く、残念だった記憶があります。
      コリン・ファレルはジョエル・シュマッカーの『タイガーランド』の時、ものっすごいキラキラして輝いて見えたのですが...今回の方がさらに良かったです。
      監督の次作『聖なる鹿殺し』もとても楽しみです。
      2018/06/25
  • 『独身者』は身柄を確保されホテルに送られる。そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、自ら選んだ動物に変えられ、森に放たれる(Amazonプライムあらすじより)

    発想は面白い、だから観ようと思った
    でもこれは…シュールすぎる…最初から最後まで全くもって意味がわからんw
    まぁグロいシーンはいいとしても、これは動物好きの人は観ない方がいいな
    あと本当に色々なシーンの意味がわかんないw面白いくらいわかんないw

    時間が有り余ってる人、こういう変な映画が好きな人にはお勧めします
    ただ、観ていい気分にはならないと思う

  • ヨルゴス・ランティモスの名前を知ったのは、5,6年前にたまむすびで町山智浩がこの映画の話をしていて興味を持ったからだ。
    その後「籠の中の乙女」(DOGTOOTH)「聖なる鹿殺し」「女王陛下のお気に入り」と、本作以外のフィルモグラフィーを追いかけて、ようやく興味の原点に戻ってきたわけだ。
    結果感想としては、あーいつものランティモスだな、安心した、というもの(なんだそれ)。
    未公開や短編などを排して計4作、すべてがランティモス印。

    ・ルールやシステムや設定の独特さ。それを守ったり逸脱したりする可笑しさ。
    ・そのとき真面目に演技を貫くことの可笑しさ。
    ・台詞のチグハグさ。
    ・大仰な音楽とかスローモーションとか、作る側が見る側に敢えて落差を楽しめと共通理解を強いる、ハードルの高さ。
    ・真綿で首を絞めるような愛だか狂気だかの応酬。

    他の作品にも共通するが本作で如実な事柄を挙げれば、

    ・独身者への無慈悲さ。人はすべからくペアになって生産すべしという、高度独身監視主義社会。
    ・そのシステムのグロテスクさを如実に表す、マッチング屋敷、残り日数稼ぎのための森でのマンハント。
    ・もちろん人対人なので性は前面に押し出されるが、どれもが尻コキ・寸止めとかの未遂感ひたひた。
    ・懲罰に手をトースターへ、とか、繰り返される平手打ちとか、手アクションへのこだわりもあるかもしれない。
    ・また唐突で滑稽なダンス。本作では対比が顕著で、屋敷パートでは、クソつまんなそうな超全体主義ダンス、森パートでは各々がイヤホンないしヘッドホンをして狂気の沙汰的な超個人主義ダンス。

    とランティモス印を書いてきたのに、いつの間にか黒沢清印を列挙しているような気になってしまった。
    清清とうっせえなと自分でも感じるが、好き好んで見る映画がだいたい清っぽくて辟易しているのだ。
    中盤で何でもない場面かもしれないが、仮初め夫婦にカスガイ式に準備された少女に対して、「小娘のキスなど迷惑なだけだ」無慈悲にローキック。父役怒ることもなく「パパと同じ歩き方ができるぞ」。どうかしとる。さらに数十分後その娘が「そのおじさんを殺して!」と父役に復讐をおねだりする。
    もう言葉で書いてもよくわからないが、そんな状況設定をしつらえる巧みさと厚顔さが清っぽいのだ。
    またロケーションの冴えも清っぽい。
    118分のうちちょうど60分で屋敷編と森編を分かつ潔さすらも清っぽい。あーもう。

    最後に書いておきたいのは、パートナー関係を作り出すためにひたすら共通点探しを求める心性を、中年は滑稽と思いがちだが、思春期には尋常ではない欲求だったということだ。
    思春期は性云々以前に、自分が果てしない世界に孤絶している孤独感に耐えきれない。同じ感じ方や同じ趣味や同じ性質を持つ他人がいるだけで救いのように感じ、結果そんな相手をしか恋愛対象に思えない。
    冒頭の設定で泉鏡花「高野聖」を連想したが、ラスト、その結果がまさか谷崎潤一郎「春琴抄」とは……。

    ・デヴィッドを演じた、コリン・ファレル……「聖なる鹿殺し」。
    ・近視の女を演じた、レイチェル・ワイズ……「女王陛下のお気に入り」。
    ・独身者たちのリーダーを演じた、レア・セドゥ……もはや言うまでもない。
    ・屋敷のメイドを演じた、アリアーヌ・ラベド……監督の妻。
    ・活舌の悪い男を演じた、ジョン・C・ライリー……「ブギーナイツ」とか「マグノリア」とかPTA常連。「おとなのけんか」でも。
    ・足の悪い男を演じた、ベン・ウィショー……「パフュームある人殺しの物語」とか。
    ・ホテルのマネージャーを演じた、オリヴィア・コールマン……「女王陛下のお気に入り」。

    お気に入り俳優を繰り返し使うタイプなんだな。

  • 主役コリン・ファレル。

    設定がぶっとび。独身男女を隔離して収納するホテル。
    めでたくカップル成立すれば、ハッピーで出ていける。
    成立しなければ動物にされる?
    え、それなに?
    実際、ファレルの兄は犬にされているし、ヤギにされた参加者もいるし、
    ファレル自身は「カップル不成立だったら何になりたい?」と主催者に聞かれて
    「ロブスター」って答えるし。(もう、意味不明)

    しかも、魔法的なやつでなくて、どうも外科手術的に動物にされる設定らしく…。

    いろいろトンデモ設定だけど、引き込まれて最後まで見てしまった。
    あちこち、まさにトンデモない部分が満載なんで、はじめて見る人はいろいろ気をつけてください。

  • amazonプライム『素晴らしき、きのこの世界』から『ロブスター』へ飛んでみる。

    手旗信号みたいな二人だけにわかるサインを集団の中でやりとりするシーン(それ不自然ですから…)、夜の森の中でキレキレに踊るメイド服のお姉さんに笑い萌える。
    超ソロか、レイシンジ並みのユニゾンを求められる結婚生活か。

    両極端すぎる世界(どっちもイヤー!)にドン引きしつつ、笑って済ませない雰囲気。じわっと背中に冷や汗をかくような…そんな映画でした。赤い罰シリーズも嫌だし、トースターで手を焼かれるのも嫌だし、ましてや痛い思いをして動物にもなりたくないよ。しかも動物にされる手術や加工法はチラッと触れられるだけで、詳しく説明されない。はっきりしないことにより不安が不安を呼ぶ。

    どの道も選びたくないけど、動物になるとしたら何がいいかな…。考えてみる。犬は群れ社会だから嫌だな。だったら猫?んー…たくさんいそう。ロブスターまでいかなくてもアルダブラゾウガメあたりいいかな…と思いながら鑑賞終了。

    終盤は谷崎チックな展開にハラハラする。その後、彼は彼女の元に戻ったのかな。戻らなかったのかな…、私だったらふりをして済ませたい。(流れ的に許してもらえなさそうだけど…)。『素晴らしき、きのこの世界』で言ってたけど、全員キノコを食べればいいんじゃないかと…。

    真剣なんだけどみんな詰めが甘くて、その後どうなった…と考えてしまうことが多々あった。ところ笑えるのとシュールさのバランスが良い映画だった。
    『ミッドサマー』や、小説『待女の物語』を思い出した。

  • よくわからんけど、なんとなく好き。動物なりたいやんけ。

  • テーマは面白いのだが風刺というより実在感のないロボットのような登場人物の、極端に誇張された描写で興醒め。結果、男女の機微の風刺はない。この監督、実は人間の奥行を描くのが下手なのではと思う。

  • 同じ監督の「聖なる鹿殺し」も悪趣味な映画でしたが、本作もまた強烈なまでに悪趣味。

    独身者が罰せられるという未来社会の価値観や、イカれた矯正施設の様子など、この映画の批評性は理解できます。しかし、あまりに意味不明なシーンが多すぎる。特に施設を脱出してからの展開はほぼ理解不能。実に苦痛でした。

  • Netflixで高評価、安定のコリンファレルなので観てみた。ついていけない設定のなか、IMDbでも高評価なので我慢して最後まで。
    映像は綺麗だけど、設定も、動物への描写も、語りも、キャラクターたちの行動もついていけくて、終わり方まで無理だった。

  • 「籠の中の乙女」ですっかり虜になった
    ヨルゴス・ランティモス監督。

    <閲覧注意、何となくのネタバレ風味あり>

    予告で流れていたのは導入部だったのか。
    その入り口をくぐって二転三転は予想外。
    予告の内容ですらユニークの極みと思っていましたが
    更に奥があったのか、、、という感じ。
    ガッツリ極端に左右に振りきることで
    本質が浮かびあがってきたなと感じました。

    終わり方。
    宙ぶらりんな〆方に賛否あるだろうなぁと思うけど
    私はコレが正解だと感じます。

    さすがヨルゴス・ランティモス監督。
    期待して次の「聖なる鹿殺し」見よう。

全17件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×