新版 リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは [Kindle]

著者 :
  • CCCメディアハウス
3.78
  • (1)
  • (6)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 58
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (204ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  著者は早稲田のラグビー部で監督を務めていた。ビジネスマンから監督へ転向した異色の経歴の持ち主。ビジネスマン時代に「フォロワーシップ」の重要性に気づいており、ラグビーチームでも実践した。その結果、大学選手権連覇を達成したと述べている。

     監督時代に大事にしていたことは「カリスマリーダーにならない」ということ。大事なのはメンバーの成功を助けることで、選手自らが考えて行動するチームづくりを目指していた。

     カリスマリーダーの問題点は、リーダーが優秀なだけで部下が育たないこと。リーダーからの指示待ち人間ばかりで、リーダーのアイディア頼みになってしまう。これでは組織は成長できない。
     そんな組織はフォロワーシップを目指してみるといい。メンバーが自分で考え、行動し、成長する。リーダーが行うことは、フォロワーが組織に貢献する機会を与え、その環境を整えること。チームの最終目標は「試合の日、ロッカールームで自分が何も言わず送り出せるようになること」だったそう。

     カリスマリーダーには誰にでもなれるわけではない。でも、フォロワーシップは誰でも実践できる。
     厳密に言うと、昔のカリスマ的なリーダーがいなくなったわけではない。彼らが行っていたフォロワーシップが注目されるようになっただけ。大事なフォロワーシップは地味で目立たなかった。
     リーダーシップが機能しなくなったのは、優れた人の表面的な部分しか見ておらず、それを真似するだけだから。大事な部分が単に見えていなかっただけ。

     リーダーにとって一番大事な資質は、リーダー自身が常に学び続けようとする姿勢。進化できるのは「自ら変わろうとする勇気と謙虚さを持つ人」だけなのだ。
     変化の速い時代。求められる人材も、環境によって大きく変わる。一つのスタイルにこだわらず、柔軟に「組織のために今、どう振る舞うべきか」を選択できることが大事。

     自分が本書から一番学べたことは、「スタイルを確立させること」。フォロワーが最も好ましく思わないのがリーダーの言動がブレていること。リーダーはブレないよう、自分のスタイルを確立させること目指すべき。まず、自分というものをよく理解しておく必要がある。スタイルはスキルがないと生まれないので、スキルを身につけることを優先した方がいい。そのスキルの点が線でつながれ、仕事で活躍できればスタイルは確立していく。フォロワーの育成もスタイルの確立を目指す。フォロワー自身のスタイルの確立を導くのが重要なこと。それには個人面談が効果的。
     自分も社会人になり10年以上になる。さまざまな仕事を覚えベテラン社員になった。自分の得意なこと、苦手なこと、好き嫌いがはっきりわかってきた。なんでもこなせる完璧なナンバーワンを目指さず、得意なことは誰よりも結果の出せるオンリーワンであることが良いと思った。

  • リーダーには、(スキルではなく)一貫性・こだわり・ら~らしさのような”スタイル”が必要と主張し、その確立方法を具体例を挙げて説明している。
    またフォロワー(リーダーにリードされる人たち)一人一人が自立していくことが望ましいため、フォロワーもスタイルを構築するべきで、リーダーは支援するのが望ましい、と記されている。

    組織にいる人は、リーダーかフォロワーのいずれかに該当するので、どちらが読んでも参考になる点が多い書籍と感じました。

  • この本からは、「スタイル」「個人面談」この2つがキーワードとして挙げられると感じました。

    ①「スタイル」

    「理想のリーダーはブレない」

    この1文が本書を読んでいて一番心に響いた文です。わかってはいたけど、いつも右往左往している自分がいて、そんな自分に必要な一文でした。

    ブレないためには、自分自身のスタイルの構築が大切になって来ます。

    スタイルとは、自分の強み、弱みを象徴できるキャッチコピーみたいなものがいいらしいです。

    ②「個人面談」

    「フォロワーシップとは、部下をどう教育するのではなく、どうやったら彼らが自然と勝手に成長してくれる環境になるかを考えぬくことである。」

    そのための方法として、本書では「個人面談」をあげています。

    個人面談の目的は、「個々のスタイルを確立し、それを発揮させること」だそうです。


    この本を読んで、自分が理想としているボトムアップ理論と非常に近いものがありました。

    僕は自分の価値観を押し付けるやり方や叱ることが苦手でトップダウン式の組織ではうまく機能することができませんでした。

    本書で書かれているフォロワーシップの考え方で、部下と接していけば、自分も自分の部下も輝けるそんな組織になる気がしました。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

株式会社チームボックス代表取締役
日本ラグビーフットボール協会理事

1973年福岡県生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任し、自律支援型の指導法で大学選手権二連覇を果たす。2010年、日本ラグビーフットボール協会「コーチのコーチ」、指導者を指導する立場であるコーチングディレクターに就任。2012年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチを経て、2016年には日本代表ヘッドコーチ代行も兼務。2014年、企業のリーダー育成トレーニングを行う株式会社チームボックス設立。2018年、コーチの学びの場を創出し促進するための団体、スポーツコーチングJapanを設立、代表理事を務める。
ほかに、一般社団法人日本ウィルチェアーラグビー連盟 副理事長 など。
著書に『新版リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』(CCCメディアハウス)など多数。

「2020年 『どんな個性も活きるスポーツ・ラグビーに学ぶ オフ・ザ・フィールドの子育て』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中竹竜二の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×