新版 リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは [Kindle]
- CCCメディアハウス (2018年1月17日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (204ページ)
感想・レビュー・書評
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著者は早稲田のラグビー部で監督を務めていた。ビジネスマンから監督へ転向した異色の経歴の持ち主。ビジネスマン時代に「フォロワーシップ」の重要性に気づいており、ラグビーチームでも実践した。その結果、大学選手権連覇を達成したと述べている。
監督時代に大事にしていたことは「カリスマリーダーにならない」ということ。大事なのはメンバーの成功を助けることで、選手自らが考えて行動するチームづくりを目指していた。
カリスマリーダーの問題点は、リーダーが優秀なだけで部下が育たないこと。リーダーからの指示待ち人間ばかりで、リーダーのアイディア頼みになってしまう。これでは組織は成長できない。
そんな組織はフォロワーシップを目指してみるといい。メンバーが自分で考え、行動し、成長する。リーダーが行うことは、フォロワーが組織に貢献する機会を与え、その環境を整えること。チームの最終目標は「試合の日、ロッカールームで自分が何も言わず送り出せるようになること」だったそう。
カリスマリーダーには誰にでもなれるわけではない。でも、フォロワーシップは誰でも実践できる。
厳密に言うと、昔のカリスマ的なリーダーがいなくなったわけではない。彼らが行っていたフォロワーシップが注目されるようになっただけ。大事なフォロワーシップは地味で目立たなかった。
リーダーシップが機能しなくなったのは、優れた人の表面的な部分しか見ておらず、それを真似するだけだから。大事な部分が単に見えていなかっただけ。
リーダーにとって一番大事な資質は、リーダー自身が常に学び続けようとする姿勢。進化できるのは「自ら変わろうとする勇気と謙虚さを持つ人」だけなのだ。
変化の速い時代。求められる人材も、環境によって大きく変わる。一つのスタイルにこだわらず、柔軟に「組織のために今、どう振る舞うべきか」を選択できることが大事。
自分が本書から一番学べたことは、「スタイルを確立させること」。フォロワーが最も好ましく思わないのがリーダーの言動がブレていること。リーダーはブレないよう、自分のスタイルを確立させること目指すべき。まず、自分というものをよく理解しておく必要がある。スタイルはスキルがないと生まれないので、スキルを身につけることを優先した方がいい。そのスキルの点が線でつながれ、仕事で活躍できればスタイルは確立していく。フォロワーの育成もスタイルの確立を目指す。フォロワー自身のスタイルの確立を導くのが重要なこと。それには個人面談が効果的。
自分も社会人になり10年以上になる。さまざまな仕事を覚えベテラン社員になった。自分の得意なこと、苦手なこと、好き嫌いがはっきりわかってきた。なんでもこなせる完璧なナンバーワンを目指さず、得意なことは誰よりも結果の出せるオンリーワンであることが良いと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リーダーには、(スキルではなく)一貫性・こだわり・ら~らしさのような”スタイル”が必要と主張し、その確立方法を具体例を挙げて説明している。
またフォロワー(リーダーにリードされる人たち)一人一人が自立していくことが望ましいため、フォロワーもスタイルを構築するべきで、リーダーは支援するのが望ましい、と記されている。
組織にいる人は、リーダーかフォロワーのいずれかに該当するので、どちらが読んでも参考になる点が多い書籍と感じました。