ねこいぬさんの感想
2024年2月14日
すごくよかった。最初は日常系かな〜って思って読み進めていたけどだんだん主人公や周りの登場人物のドロドロとした人間味が溢れてて、最後の方は若干ホラーチックだった。 人間と依存が生み出す感情はやっぱり恐ろしくて、でもその感情の所有者の辛さとか苦しさとか親近感もあるから文章としてすごく深みが出てたと思う。わかる、わかる。この感情を言語化したらこうなるのか。という表現が散りばめられていて自分に照らし合わせて読むこともできる。良書だったので黒木渚さんの作品、他にも読んでみたいと思った。
宮崎県出身。大学時代に作詞作曲を始め、ライブ活動を開始。文学の研究にも没頭し、大学院まで進む。2012年に「あたしの心臓あげる」で歌手デビュー。2014年からソロ活動を開始。2017年にアルバム『自由律』限定盤Aの付録として書き下ろされた小説「壁の鹿」を、『本性』と同時に刊行し小説家としての活動も始める。他の著書に『鉄塔おじさん』『呼吸する町』『予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる』などがある。 「2022年 『檸檬の棘』 で使われていた紹介文から引用しています。」