純のはらわた 血みどろ怪奇作品集【改訂版】 (リターンフェスティバル) [Kindle]
- 久保書店 (2018年2月5日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (212ページ)
感想・レビュー・書評
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前々からずっと気にかけては忘れることを繰り返していた
“鬼畜系漫画家”(Wikipediaより)のホラー短編作品集
《修正版》をebookJapanにて
(電子書籍にしては高額だがポイント利用で)購入、読了。
元は雑誌『ホラーM』掲載作だったとか。
基本的にスッキリした描線で淡々と進行していく……
かと思うと突然の残虐シーンといったパターンだが、
短いストーリーながら捻りがあって大変面白い。
割とアッサリした画風なので、
ゴア描写も「うんうん」と頷きながら読み進めてしまった。
小中学生女子特有の思い込みの激しさや残酷さがリアル。
思考の流れに整合性がある(?)ため、
理不尽さや狂気は感じられず、
美醜のコントラストと嫉妬が
主にクローズアップされているので、
これをもっと上の世代で繰り広げられるドラマにスライドさせたら
『悪魔(デイモス)の花嫁』の
キツめのエピソードのようになりはすまいかと愚考。
しかし、作者が男性だということを踏まえると――
女の暗部を熟知しているかのようで恐ろしい……。
■人面疽狩り
きれいな脚に人面疽が生えてしまったので
切り取る美少女。
■私に鏡を見せないで
そっくりで美しい双子の姉妹の一方が
事故で美貌を失い……と来れば、
結末は自ずと想像が――と思っていたら斜め上!
ウッカリ感動してしまった(←マジ)!!
これは壮絶な苦しみと孤独を味わったヒロインの願望なのか……。
■暗殺少女風香
暗殺者として父に技術と心得を仕込まれた風香の働きぶり。
「自分の体を大切にするんだよ」って、親父ィィィ(怒)!
■暗闇のサンタ
病身の母と二人暮らしの貧しい少年を見守る
優しい少女、だが……。
■夜の踏切
自殺者を四名も出した魔の踏切に現れる幽霊を撮影しようと、
新聞部員が霊感の強いクラスメイトに同行を頼んだが……。
■老婆の予言
夜遅く、二人の少女が歩いていると街角に占い師。
ミサちゃんは日付が変わる午前0時に死ぬと予言され、
この場で自分がどんな死に方をするのか
知りたいと言って留まったが……。
■久美が泣いている
親友の聡明な美少女・久美が何者かに惨殺された。
久美にストーカー紛いの付きまといをしていた兄が
犯人かもしれないと同級生に告げられた美緒は……。
■何かがおるんじゃ
家族と霊と悪意を巡るオムニバスストーリー。
■ファミリー
家族が悪意ある偽物で、何らかの目的で
自分を育ててきたのだと担任教師に訴える少女。詳細をみるコメント0件をすべて表示