アド・アストラ ―スキピオとハンニバル― 13 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) [Kindle]
- 集英社 (2018年3月19日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (212ページ)
感想・レビュー・書評
-
過去に勧められたことがあり読んだマンガ(誰に勧められたかは不明,たぶんSNSで流れてきた)。
有名なハンニバルの事績について知らなかったため、スキピオという存在や、その当時の地中海世界について、没入感をもって知ることができてとても良かった(Wikipediaを読んだのではこのようにイメージを持つことはできなかった)。
巻末の解説もすごく面白かった。
ローマ社会とカルタゴ社会の感じとか、イベリアを含む領域感とかも体感できた。
マンガとしては、人物画こそ綺麗だったが、微妙なところはあった。
人物ドラマはちょっと下手だし、戦闘の演出も、仔細を簡略化しつつ事実を追っている感じ。Wikipediaを画像にした感じで、その時代の生活感とか、行間として語られるべきことが捨象されていた印象。
また、ときたま、人物たちが未来を知っているかのように振る舞う(から過剰に反応したり、伏線的にあざとく振る舞う)のも、稚拙に感じた。
でも勉強になりおもしろかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者自身がコミックスの後書きで書かれている通り、何千年も前の物語ではありますが、まるで現代の今まさに日本が直面しているあらゆる問題にも通じる、カルタゴとローマの戦いについて学びました。
老人を生かして若者が犠牲になる国に未来はない、はコロナ禍での対策で生産人口を犠牲にした方針に対する一つの解と言えると思います。
また、未曾有の危機に、集団のリーダーが取るべき姿について、人気取りではなく何が真に国家にとって大切なのかを見据えて高度できるが大切だと改めて感じました。
そして、優れた人物をときに大衆は排斥し、国の未来を失ってしまうリスクがある事も、よくよく心に留めておかねばならないと思いました。 -
古代ローマ史でよく名前を聞く2人の戦いがよく描かれててすごく勉強になった
-
ついに完結。個人的には戦後を描いて欲しかった。ファビウス死去辺りからちょっと急ぎ足になってるかなとは思っていたんだが。ハンニバルのカルタゴ改革、スキピオとカトーの政争、シリア戦役やアンティオコスの登場、とかちょっと楽しみだったんだけどね。
いずれにせよ、英雄が国を背負って働く時代というのは物語として普遍的に面白い。絵になれば尚更、ということですね。