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感想・レビュー・書評
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経済学や思想はその時代背景を元に考慮しなければならない 。セットで使わないと意味がない。これを前提にレビューを書きます。
時代背景としては、マキャベリの時代は戦乱や汚職、詐称、王様国家の時代です。
①武力を持たない他国の軍事力を頼りにしている国は必ず滅ぶということです 。
なんのかんの武力がないとなめられます。 現在の核保有国の発言力を見れば分かるでしょう。 武力のあるものが進んで武力のない者に従うことはありえないのです。自然界を見れば分かるでしょう。 自然の法則に逆らうことはできません。 宇宙物理学の法則に従って宇宙は動いています。 いくら人間が理想的な国際法や道徳や経済理論を作っても宇宙物理学の法則からは逃れられません。
②他国同士が戦争している時に中立の立場にいることも国が滅びます。決断力のない国はどこの国からも信用されません。戦勝国に味方していたならば、戦勝国からはあなたの国のおかげで勝利できたと思われます。敗戦国に味方した場合も、負けたけれど助けてくれてありがとうと感謝され、次回は助けてもらえます。中立の立場だとどちらからも結局助けてもらえません。
現在に当てはめてこれらのことを考えてみると、 戦乱の時代じゃないけど、武力による発言力は健在です。力=武力の方程式が変わっていけば世の中変わっていくと思います。
国際ルールや国内の法律 、ネットなどで個人間で売買する時のルールを破る人が世界中からほぼいなくなれば、非武装の平和主義が成り立つかもしれない。 でも日常生活から実際に感じられるように、まだその段階ではないだろう。 日本はその観点から言えば世界で一番発展しているかもしれない。しかし他国はまだ未熟である。 よって方向性としては世界中の非武装の方向に向かっていいかもしれないが徐々に向かうべきです。いきなり理想である非武装を実行してもやられるだけだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中央公論社の世界の名著の1冊である。しかし、このブクログの検索ではヒットしなかった。
君主論の池田簾の翻訳はわかりやすいと定評がある。しかし、この話を読む限りはピンとこない。責任編集が会田雄次で解説を書いているが内容に踏み込まずにわかりやすい。 -
かの有名な「君主論」をようやく読破した。
想像していた何倍も面白かった。
塩野七生の「わが友マキアヴェッリ」を読んでいなければここまで面白いとは感じなかったかもしれない。
途中までは「わが友マキアヴェッリ」で十分か?と思うほどだったが、マキアヴェッリ独自の視点の面白さを堪能することができた。
君主を経営者と読み替えながら読み進めたが、参考になるところばかり。
君主は軍事に専念しろ、というのは、経営者であれば営業やマーケティングに注力しろ、といったところか。
「英邁な君主は、けちだという評判など、少しも気にかけてはならない」
といった表現は、コストをおさえなさい、ということだと思う。
日本語訳が平易だったのも良かった。
読みにくさは全くなかった。
得るものの多い読書だった。