ダーウィン・エコノミー 自由、競争、公益 (日本経済新聞出版) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 『進化は万能である』を読んだら次に読みたい本。社会に進化の仕組みを導入したからといって皆が幸せになるとは限らない。むしろプレーヤー全員が不幸になることもあるのだ。だから規制が必要なのである。

    一番わかりやすい例は、本書にもあった「アイスホッケーのヘルメット着用義務化」の問題である。選手はヘルメット着用が自由な場合、装着しないことを選ぶ。その方が視界が広く、音も聞こえやすくなるため、優位に立ちやすくなるからだ。怪我のリスクが増えるとしても。しかしそうすると全員がヘルメット着用しなくなるため、その優位性は消え、ただ全員にとって怪我のリスクが増えるだけになる。だから選手達はヘルメット着用義務化を制度に求めるのだ。

    以上のように規制しないと参加者全員が損をするということはよくある。個人的には就活の問題点はほとんどこのパターンなのではないかと思う。「小さな政府」とか「規制緩和」を求める人達への対抗するために読んでおきたい本。

  • 違いがわずかであっても、何百万人ものリスナーは各自数セント多く払って、ほかの音楽家ではなく世界一のソプラノ歌手のCDを聴こうとする。その結果、最も才能のあるソプラノ歌手は数百万ドルの契約金を手にするが、わずかに才能が及ばないだけで、ほかの人は生活するのがやっとの状態

    一人勝ち、確かに怖いです。努力は欠かすべからず、とは分かっていても、限度があります。極端な話、いい生活したければ、マグロのようにずっと泳ぎ続ける必要がある、ということになりそうです。

    会社生活10年とは言っても、まだまだやれることあるはず。一方で、残りの会社人生も限られているので、何か残したければ、何かになりたければ、やることを絞らなければならない時期もあるはず。訳あって、そんなことを考えさせられる日々です。

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著者プロフィール

コーネル大学ジョンソンスクール教授
コーネル大学ジョンソンスクール H・J・ルイス記念経営学教授および同校経済学教授。1966年ジョージア工科大学卒(数学専攻)。71年カリフォルニア大学バークレー校修士課程修了(統計学)、72年同大よりPh.D.(経済学)取得。72年よりコーネル大学にて教鞭を執る。2005年からニューヨーク・タイムズ紙にコラムを執筆している。著書に『成功する人は偶然を味方にする』『幸せとお金の経済学』『日常の疑問を経済学で考える』などがある。ニューヨーク州イサカ在住。

「2018年 『ダーウィン・エコノミー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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