明治以降西洋文化や技術がなだれ込んできて、日本は一気に西洋化が進んだ。たとえば明治になってすぐに電信が引かれ、蒸気機関車が走り、蒸気機関による製糸工場が動き始めた。これらはお雇い外国人の指導があったとはいえ、日本人にそれを受け入れる基礎知識や基礎技術があってからこそだと思う。
それらの先進技術をいわゆる「鎖国」と言われた江戸時代に、限られた情報をもとに自ら発展・開発していった科学者たちがいた。
有名なところでは、平賀源内、関孝和、緒方洪庵がいるが、それ以外にもこの本は合計11人の科学者たちの生涯や科学への貢献をまとめた一冊である。
西洋の進んだ科学を翻訳し、日本に導入した人たちもいるが、西洋科学に先んじた人達もいたと言うのは、日本人としても誇りに思わせる。
幕末に日本に来た外人たちが、いかに日本人が先進科学に理解があったのかを知った時に、日本を他のアジアやアフリカの国々のように植民地化はできないと考えた、と言う話も面白い。