フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉 [Kindle]

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  • アスコム
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  • 陸上選手としてはパッとせず、営業マンとして花開いた著者が、青山学院大学陸上競技部を常勝軍団へと変貌させた、そのマネジメントの秘訣を語った書。

    「今日の青学陸上競技部は、世の中にあるビジネスノウハウを活用して築き上げられました」

    常勝軍団を作り上げるにはそれなりの年月が必要と語る著者。規則正しい生活を根付かせるのにさえ3~5年かかったという。そして、「いい種が芽を出し、ちゃんと育っていくような土壌をつくるまでに 10年近く費やし」、「花が咲いたのは 11年目のこと」だったとのこと。

    「組織の進化には、4つのステージがある」と説く著者。ステージ1(命令型)は「監督の命令で全員が動くチーム」、ステージ2(指示型)は「監督が学年長に指示を出し学年長が部員に伝えて動くチーム」、ステージ3(投げかけ型)は「監督が方向性だけを学年長に伝え、学年長と部員が一緒に考えながら動くチーム」、ステージ4(サポーター型=完成形)は「監督が外部指導者を巻き込みながら、部員に対してサポーター役」となり部員の自主性とチームの自立を果たした状態の4段階だ。

    ここで著者が強調しているのは、「ステージ1と2は、今の若者が成長する環境には適していません。だからといって、強くなるための核となる、陸上競技でいえば規則正しい生活や目標管理の意義を部員が理解する前に、自主性を重んじるステージに移行すると、自主性と自由をはき違えた同好会のようなチームになってしまいます」ということ。「自主性がないと組織が活性化することはない」のだが、規律をしっかり根付かせることが大前提なのだ。

    印象的だったのは、「勝利だけを追い求めるよりも人間形成を第一に行うほうが、結果として勝利への近道になる」、「大学の監督である私の役割は、選手に陸上競技で結果を出させる以上に、人間として成長させてあげることです。それは、卒業してからの人生のほうが、はるかに長いからです」、「私が人を育て、チームをつくる根底にあるのは、「そもそも人間は明るいほうがいい」ということです。 陸上界は暗いというか、ストイックな姿勢が好まれます。しかし、この 10年あまり、うちの部員を見ていると、ストイックなのは本来の姿ではないと感じます。陸上選手は修行僧ではありません」などの言葉。

    今年の箱根駅伝を見ていても、青学の選手達の明るくハツラツとした表情が光っていた。原監督のコメントも、選手を労う言葉に溢れていた(他の監督とは選手に寄せる信頼感が違っていた)。原イズム、素晴らしいな。

  • 基礎基本に立ちかえられる軸を持つ
    チームのビジョン+個人のビジョン

  • 2023.12.12(火)雨

  • 部活でも仕事でも、やるべき事の共通点は以外に多く学べる機会が多いんだなと感じた。

    目標達成に向けて、ランダムに編成した班で話し合い、結果を全体に共有するといったところは、色んな人の視点で話し合うことができ、また、他職員への刺激にも繋がりいいなと思った。

  • ビジネスで当たり前のように使っていることをスポーツにおい応用している。原監督も強いチームを作るのに数年要している事、失敗もしてきている事がわかった。マネジメントで成果を焦ってはいけない。この本はスポーツマネジメント、だけでなくあらゆる採用をする者にとって気づきのある本だと思いました。決して相手に迎合しない事、そして、組織風土や考え方に共感できない人を採用しないことなど学びにつながる事ばかりであった。

  • コーチングの前にティーチングあり
    迷ったら基本に立ち返れ
    成長させたいなら、見守る
    そもそも人間はあかるい方がいい

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著者プロフィール

青山学院大学陸上競技部長距離ブロック監督。青山学院大学地球社会共生学部教授。1967年、広島県三原市生まれ。世羅高校では全国高校駅伝準優勝。中京大では全日本インカレ5000mで3位入賞。89年に中国電力陸上陸上競技部1期生で入部するも、故障に悩み、5年で競技生活を引退し、同社でサラリーマンとして再スタート。新商品を全社で最も売り上げ、ビジネスマンとしての能力を開花。
2004年に陸上競技部監督に就任。09年に33年ぶり箱根駅伝出場、15年に同校を箱根駅伝初優勝に導く。18年まで箱根駅伝4連覇という快挙を成し遂げる。20年には大会新記録で王座奪還を果たし、22年には大会新記録を更新して6度目の総合優勝するなど駅伝強豪校に育て上げる。

「2022年 『「挫折」というチカラ 人は折れたら折れただけ強くなる(マガジンハウス新書)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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