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感想・レビュー・書評
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読む前は面白いのかな?と思って読み進めたが、直ぐにグッと引き込まれた。木の癖を知って組み立てる。1000年生きた木を使うから建物も1000年持つとか、とても新鮮に聞こえた。今の鉄は悪くて昔のそれも飛鳥時代の釘の方が良いなんて衝撃的だな。タタラ製鉄とかして作った鉄は良いんだな。技術は進歩していると思っていたけど、昔の技術の方が良いこともあるのも新鮮だった。梅原猛が法隆寺は聖徳太子の怨霊を封じ込める寺と言っていたが、それを否定しているのは面白いと思った。純粋に仏教を信じて、仏教を広めるために寺があると言う気持ちで仕事しているから何だろうな。しかしご自身でも言っているが偏屈なんだろう。でもそうでもしないとここまで極められないのかなとも思う。
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1988年に刊行された本の文庫版。今読んでも古臭さは感じない。
宮大工の視点で滔々と語られる。ザ・職人という感じ。時代が進むに連れて技術が発展していく、と捉えがちだが、千年単位の建造物のことを考えるとそうでもないらしい。効率性が重視される現代では失われていく物も多いのだとか。
特に木材や鉄など、今では用意できないものもある。樹齢が十分な木材は採りつくしているし、製鉄は当時のように手間をかけて行うことはしない。数百年単位で物事を見る、というのは新鮮な視点。
・千三百年のヒノキ
・道具を遣う心
・法隆寺の木
・薬師寺再建
・宮大工の生活
・棟梁の言い分
・宮大工の心構えと口伝 -
西岡棟梁の知識量に圧倒された。想像以上に面白くて惹き込まれました。