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感想・レビュー・書評
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Audibleで再々再々…読。十代の頃初めて手に取ってから、もう何度読み返したかわからない。作中で「ぼく」がスコット・フィッツジェラルドの「グレートギャツビー」を何度も読み返し、読み返すたびに新しい発見があると言っていたが、私にとってのそれは「ノルウェーの森」である。Audibleで聞くと、若い頃の村上春樹の表現のみずみずしさをより感じることができた。今度はまた紙の本で読んでみよう。きっとまた新しい発見があるはずだ。
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<ノルウェイの森>というタイトルは恐ろしい意味を持っている。
それを知ると、背筋がゾッとする。
そして、この本が全く違った様相で立ち現れてくる。
作者はこの題名について、必要以上に寡黙だ。
夫人が「ノルウェイの森で良いんじゃないの」と言ったからという、どちらかというと韜晦気味のコメントしかしていない。
ビートルズ中期の名曲<ノルウェイの森>から採られたこの本の題名は、ビートルズの下品なエピソードを踏襲しながらも、実に恐ろしい意味を孕んでいる。
タイトルが意味しているのは、主人公を罰するオブセッションであり、地獄に落ちた主人公の呻き声なのだ。
ビートルズの<ノルウェイの森>Norwegian Woodは、空耳アワー感覚ででっち上げられた題名で、元々はKnowing she wouldと歌われていた。
wouldの後にはmake love with meという動詞が隠されていて、<彼女はヤラセテくれるぜ>という意味だ。
ビートルズはNorwegian Woodと歌いながら、その実、Knowing she wouldと聞こえることを期待していたのだ。
ビートルマニアの村上春樹は、このエピソードを逆手に取ったのだ。
題名の<ノルウェイの森>Norwegian Woodは、Knowing she wouldと読み替えられなければならない。
そして、村上春樹は、wouldの後に、die(死ぬ)ないしはcommit suicide(自死する)という動詞を潜ませた。
<彼女(直子)が死ぬ(自死する)ことを、僕(ワタナベ)は知っている>
いついかなる時も、最初から、途中も、今も。。。
彼女(直子)の死の謎を探る僕に対して、<彼女が自死することを僕(お前)は知っているのだ>と常に聞こえる声は、<僕>を告発する声であり、そのオブセッションから逃れることのできない<僕>の呻き声なのだ。<僕>は<僕>による自己告発のスパイラルから抜け出すことが出来ない。
その地獄を<ノルウェイの森>というタイトルは一言で示しているのだ。
村上春樹はなんと恐ろしい題名を思いついたのだろう。
本を開く前から、読んでいる間、そして読み終わった後も、この呪詛の言葉ともいうべき<ノルウェイの森>が鳴り響いている。
ゾッとせずには読むことのできない作品だ。 -
1にセックス2にセックス、3.4が自殺で5にセックス、という小説でした。著名な作品なので読んでみましたが、有名だからといって面白いわけではないと感じさせてくれた作品です。
※以下ネタバレ注意※
ワタナベと緑が受け付けなかった。ワタナベについては自らは特に何もしないのに周りの女性にモテまくるのはなろう小説みたいだなぁと思った。直子としか愛し合わないとか言っておいてすぐ緑に鞍替えし、どっちも愛しているんだーはないだろ。緑はあって間もないワタナベの前でお下劣な妄想だったりポルノ映画に連れて行けだったりといたたまれない。性に関心があるとかそういう問題じゃない。直子も直子で統失っぽいし、療養所の林でワタナベを手コキするし…レイコはマシかと思ったら最後の最後で直子死んだしセックスしようぜ!なんて言うし、意味不明。ストーリー自体も盛り上がりに欠けるしもうええわ、村上春樹はもう読まない。 -
村上春樹の『ノルウェイの森』は恋愛小説と言われますが、わたしはそんな感じはしません。恋愛小説というには、この小説の中身は少し重たすぎるでしょうか。
強いて言うならば、青春小説かもしれません。
村上春樹の小説はキザすぎるとかナルシスト的などと言う人も多いですが、わたしは『ノルウェイの森』が好きです。読んでいて心が楽になることが多いです。
主人公がノルウェイの森を聴いてひどく混乱する時。
蛍を飛び立たせる時。
サンタフェで夕陽を見ながらハツミさんを思い出す時。緑が去って、誰とも会話ができなくなる時。
人生で孤独を感じながら、それでいて誰にも自分の感情を説明できないこと。
そんな切ないことが少なくともありえるんだってことを、この小説を通じて共感できるからです。
「蛍が消えてしまったあとでも、その光の軌跡は僕の中に長く留まっていた…
僕はそんな闇の中に何度も手をのばしてみた。指は何にも触れなかった。その小さな光はいつも僕の指のほんの少し先にあった…」
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何回目かの再読。
この小説は本当に好きで、読むたびに深く考えるのだけど、前回とは感じたことが違ったことに驚いた。年齢のせいだろうか??第一章の『直子は僕のことを愛してさえいなかった』というフレーズに引っ張られて、読んだからかもしれない。
ただ、直子も緑も、魅力的な女性なんだろうが、あまり好きになれないという点はいつも同じ。特に、緑…。
そして、今回はワタナベには共感。前回までは、はっきりしないワタナベにイライラしてた記憶があるんだけど、全然、そんなんじゃなかった。たまらなく哀しい。
また、数年後、読み直そうと思う。
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22年ぶりに再読。いつ読んでも色褪せない名作。
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遅れてやってきた思春期?
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よくわからん
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ずっとノルウェー(国)の森が舞台の話だと思っていたら、ノルウェーは一切出てこなかった(笑)
ビートルズのノルウェイの森という曲があることも初めて知った。
想像してた話とは違ったが、登場人物それぞれが抱える弱さがとても人間らしかった。
きっと誰しもが多かれ少なかれ抱えている闇、ふとした瞬間に大きくなってほんのはずみで飲み込まれてしまうかもしれない。それぐらいきっと人間は脆い生きもの。自分の大好きな人たちが目の前からいなくなりませんように。 -
思春期に読んだので、官能小説にしか思えなかった。大人になった今読み直してみたい。