QJKJQ (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 現実と虚構を行き交い、翻弄される小説。
    何が何だか分からなくて、面白いのか面白くないのかもあやふやな状態がキツかったです。

    でも、伏線もしっかり回収して、綿密に作られていてる印象を受けました。
    主人公の夢がほつれるきっかけがイマイチ唐突で必然性なかったかなとは思いましたが。(『父』が、いつ目覚めてもおかしくない的なことを言っていましたが)

    でも、テスカトリポカを先に読んでいますが、露悪的な嗜好が強いのでしょうか、作者は?
    こちらの方が、より厨二病めいていますが……

  • かの大傑作『テスカポリトカ』をもう一度読みたくて文庫化されるのを待ちわびていたら、実は三部作だと知り、こちらを読了。家族全員猟奇殺人鬼とのことで『怪物の木こり』のようなノリの小説かと思いきや、まるで違うレベル。気がつくと飛んでもない所へ連れて行かれた。途中あまりに恐ろしくて、何度も本を置く。どうしてこんな凄い/恐ろしい/深い話を思いつくのか。とにかくとてつもない問題作! しかし「読書メーター」のレビュー見渡すとこの佐藤究氏の作品を低いレベルでしか読んでないユーザーが多いなあ。作家が気の毒だ。

  • うーん、女子高生の話口調が不自然すぎて入れませんでした。
    最後の掛け合いも、主人公の頭の回転が早く、現状の受け入れが早すぎて都合よく進んでいく印象でした。

  • 市役所で名前が調べられない理由矛盾してない???と思った。そんな感じです……。

  • まずまず〜!
    決戦で右足千切れかけ、血液限界まで抜かれてる奴が殺人に慣れて憧れまであってしっかり抵抗する人を殺せるわけないだろ!
    まず立つのもやっとだろ!っていう憤りある。
    話がナンセンスな方に展開すると思った萎えあるからそこで冷めた。
    ギリギリで翻ってたけど!
    『三度目の殺人』みたいな、人を殺す人間と殺さない人間の境はどこにある?っていう作品。
    殺人遺伝子はなくても傾向はあるよな〜と思う!
    その気質も遺伝からきてるから結局殺人遺伝子はあるといえるかな?でも環境も人格形成に大きく関与するから結局本書の結論、誰でも殺人者になり得るに落ち着くよな。

  • 鳩ポン・・・w

  • 読むんじゃなかった。
    読んだら最後、戻れなくなる。
    中二病という感じもあるが。。

    結局、何が本当で何が嘘、幻想なのか。
    殺人とは?
    _誰かの存在を消すために引き裂くのではなく、誰かを呼び戻すために引き裂くのだ。_
    何が真実かなんて誰にも分からないのかもしれない。

  • 衝撃的だったとしか言いようがない。1日で一気読みするくらい本の世界に引き込まれていた。タイトルが妙だと最初は思ったが話が進んでいくうちに圧倒された!まさか主人公の母と兄が妄想であり、父と思っていた人物に観察されてたなんて。本当に殺人とか殺し、人間とはなんなのかについて省察される。残酷な死を何度もあげ、主人公の捉え方と父の説明を通して分析し読者に理解させていくことで作者にまんまと騙されながら、振り回されながら読み進めることしかできない。一人称の使用も素晴らしかった。まんまと読者を騙し、主人公と重ねることであらゆる衝撃的な事実に対して共感、同情させ、臨場感が半端なかった。すごい。読者の考えるであろうことを予想して書いていて自分でも疑問を持ったハウスダストの調査員に最後戻るとか凄すぎる。あと、最後に父が実の娘を殺したり、少年を主人公の目の前で殺すとか残酷で好きだった。それに最後その父が死ぬのもいい結末だと思う。父が死ぬことでこの国家にある仕事が本当に実在するのかが改めて問われる。また、主人公が自首するのも賢過ぎた。法に飛び込む形で生きていくのは流石にびっくりしたが納得できた。鳩ポンに関しても全てが彼らが計画したことでその通りに物事が進んだのもすごかった。一人称だから主人公の視点ばかりに囚われて周りに気づかない。鳩ポンが鳩を殺しているのも任務だからではなく、本当にストレスが飛ぶと考えていたならば最後に殺人者になりたいと熱くなるのもリアルすぎた。本当に傑作だった。絶対読んだ方がいい一冊だ。さすが江戸川乱歩賞受賞作。

  • めっちゃすき!
    現実的にやばい話しから幻想?からのミステリ?

  • いつも通り、表現と描写が細かく情景が浮かんでくる。つい読んでしまう。過去と現在の絡み合いも良く描かれているが、展開に大きな変化がなく淡々と物語りが進む。大きな展開もないのに読んでしまうのは、描写の巧みさなのだと思う。

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著者プロフィール

1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、デビュー。2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治文学新人賞を、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞、第165回直木賞を受賞。

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