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感想・レビュー・書評
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まさかのプリキュア
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読了。ケレン味の強いなんでもありのエンタメSF。いろんなことが説明されずに終わってしまった感が残るが、細かいことはどうでもいいと言わんばかりに特に後半は想像力が追いつかないほどの怒涛の展開で、一気に読み終わった。タイトルや冒頭の始まりかたから受ける印象とは程遠いスラップスティックで気宇壮大なあまり他で見ない類の小説だった。
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うむむむおもしろかった、緻密で鮮やかなエンターテイメント。ほとんどぶっ続けで一気に読んでしまった。美縟文明のエキゾチックな色彩自体が強烈に魅力的だったし、全ての住民が役柄のペルソナを得て没入する「カ劇」、その古典的役柄の萌え演出込みの「翻案」、プリキュアやまどマギや特撮?やエヴァをぶち込みながら(作中作のフリギア各シリーズの〝絵柄の違い〟すら感じさせながら)物語のメタ構造に叩き込んでいくエネルギーなどもう聞くだけでよだれ出る美味しい闇鍋です。そして実際にこれだけの素材を取り混ぜつつ全体を絢爛豪華で厚みのあるタペストリとして織り上げていく描写や文体の力技も凄まじい。
元ネタ語りを求めてネットをうろついていたら、そもそも「なにを元ネタだと思うか」すら読者を映し出すかがみなのだという一文を見かけてなるほどと思った。私はなきべそのプリマと偏屈な奏者、箱庭のような物語の街に、プリンセスチュチュを思い出した。
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惑星「美縟」で開国500年を記念して演奏される「零號琴」、それに併せて上演される美縟の伝統芸能「暇劇」を巡る物語。
主人公はトロムボノクかと思いきや、作者あとがきによるとシェリュバンとのこと。
伝統芸能の暇劇と朝の子供番組「なきべそのフリギア」が混ざり合うのは、現実で言うところの「ワンピース歌舞伎」か。
作者の他の作品よりもエンタメ寄りで読みやすい。