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感想・レビュー・書評
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主旋律は、タイトルにもある自転車を巡る家族の歴史の物語。
主人公の、古い自転車に対する愛、熱意は、そのまま著者のものとして強く伝わってくる。
そして、主人公が自転車を探す過程で知り合う人々の記憶や言葉を通じて、台湾に住む人たちが過ごした20世紀の民族史・民俗史が立ち上がってくる。
貧しくも逞しかった台湾、日本に統治され太平洋戦争に巻き込まれた台湾、そして、日本を追うように経済成長して豊かになった台湾。
そして、現住民、自然、動物。
中でも、蝶の翅を加工した工芸品の挿話や、戦争に利用されたり犠牲となった象たちの数奇な運命は非常に印象深い。
ここで描かれる百年史には悲哀や辛苦がたくさん詰まっている。
だが、読後感は優しく、幸福感さえ味合うことができる。
不思議な小説である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【台湾からの新風、二〇一八年ブッカー国際賞候補作!】父の失踪とともに消えた自転車は何処へ――。行方を追い、台湾から戦時下の東南アジアをさまよう。壮大なスケールで描かれる大長編。
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