Kindle Unlimited版読了。
ヒーローの幼い妹を事故から庇って傷を負った事で、初恋相手のヒーローと結婚する事になった健気で優しい16歳伯爵令嬢ヒロインと、ヒロイン兄の親友で公爵家嫡男の26歳カタブツ騎士団長ヒーローとの両片想いすれ違いラブストーリーです。
蜜猫文庫は発売と同時にKindle Unlimited対象作品になるので、利用側としては嬉しいです。
ヒロインの初恋は10歳年上のヒーローで、5歳の頃から11年間片想いを続けていますが、いつも「お嫁さんにして欲しい」と告白しては「妹のようにしか見られない」と断られていました。
ある日、ヒーローの妹を事故から庇った際にヒロインの体に一生消えない傷を負った事で、ヒーローと結婚する事になります。
しかし、ヒーローと婚約話が進んでいた令嬢がヒロインの屋敷に乗り込んできた事で、生真面目なヒーローが自分と結婚してくれるのは責任を感じてだとヒロインは思い込んでしまいます。
…ヒーローが、26歳で騎士団長に就いているのが凄いです。
ヒロインは恋心を秘めていたわけではなく頻繁にヒーローに告白していたようなので、天真爛漫で空気の読めない子だったらどうしようと思っていたのですが、ヒーローが他の令嬢と結婚すると聞いた時は身を引こうとしたり、ヒーロー妹を体を張って庇った後も開口一番にヒーロー妹の怪我の心配をする良い子だったりと、予想以上に優しい娘さんでホッとしました。
ヒーローと婚約話が進んでいた令嬢がヒロインの屋敷に乗り込んで来た時の事をヒーローに話せばすぐに誤解が解けたのではないかと思うのですが、そうなるとすぐに2人が両想いになってすれ違いストーリーが進まなくなるので仕方ないのかなー…と思いながら読んでました(笑)。
ヒロインは背中に傷を負ってる筈なのに、背を下にしてベッドに寝たりしているのが気になりました…。
あと、カタブツで生真面目という設定のヒーローですが、むっつりなのか婚約中とはいえ結婚前にヒロインに手を出したりHに慣れてる感じがしたので、「…カタブツか?」と疑問に思ってしまいました。
ヒーロー視点があるので、カタブツなヒーローが妹として見守っていたヒロインを気付けば女性として見ている自分に思い悩んで、利害が一致した他の令嬢と結婚しようとした事が分かります。
結局、ヒロインが生死の境を彷徨った事で、ヒロインに気持ちを伝えようと思い直したようです。
…そこは一応、カタブツな考え方はするのですね(笑)。
初Hは両片想いのすれ違い状態で致していたので、少し残念でした。
ヒロインに意地悪していた令嬢には、ちゃんとざまぁな結末が用意されていたのでスッキリしました。
そういえば、旅行中の列車の中でヒロインが捨てられるのはもったいないと苦手なワインを無理して飲むシーンを見て、「…ヒーローが代わりに飲んであげれば良いのでは?」と思ってしまいました。
色々とツッコミ所はありましたが、すれ違いながらも両片想いの2人がいちゃいちゃしていて、ヒロインが純真無垢で可愛いお話でした。
あとがきを読んで、成長したヒーロー妹がヒロインとなった話を是非、読んでみたいと思いました。
余談ですが、ヒーローがヒロインを妹扱いしていたり、主役カップルのすれ違いを見かねた知人が旅行のお膳立てをしてくれたりとか、主役カップルの設定とか展開が同作家さんの『公爵様の可愛い恋人』を思い出しました。