異種族レビュアーズ えくすたしー・でいず [Kindle]

著者 : 葉原鉄

制作 : 天原  masha 

• KADOKAWA (2018年12月7日発売)

感想・レビュー・書評

[花園さんの感想 · 2018年12月26日]

※露骨な性描写の含まれる作品です。

【導入】
"多様性は個を助く"を文字だけで紡ぐ。
ファンタジー世界のえっちなお店が、無修正で！？
色んな人種がいるから、色んな相性がある。
商業漫画版を気に入った人にお薦めする作品です。

【類別】
小説。
ファンタジー。
セックス、レポ。一部、"NTR（寝取られ）"プレイ。

【筋】
「股間は人生の羅針盤である。」
商業漫画版を読んでおらずとも、読める構成です。
また、その版とは異なり、ひとつの謎を解きあかそうと探索していく冒険の要素も色濃いです。ただし、やっぱり動機はえっちなお店に行ってまだ見ぬ種族を抱くことなのですが。
天使の登場人物が両性具有であり、その観点で語られるために女性視点で読むことのできる章があります。
全体で見て、特に目を引いた箇所は「淫魔（ルビ：サキュバス）は男を求める。それは種の本能であり、当然の権利として法的にも認められている。男を悦ばせて精と代金をいただくサービス業も合法。」です。生まれながらの性質を認めあい、上手に棲みわけまでもする社会。それを形成するのって、なにげに本当に難しいことだと思います。いや、いまのは蛇足でした。
他、好きなのは、イメージプレイで（合ってるのでしょうか）御曹司になってメイドとの諸々です（NTRは好きでも嫌いでもないです）。
更にまた好きなのは、「おらッ、娘のまえでアヘりながらイッちまえよ」「びゅーびゅーしちゃいます？　父親の尊厳ぜんぶお漏らししちゃいます？」の箇所。
あと、「廃都の朽ち木」っていうネーミングが好きです、廃都が好きなので。

【表現】
平易。
低俗で下品な笑いを交えつつ、決めるところは決める。
一人称視点の章もあれば、三人称多元視点の章もあります。

【備考】
このレビューは、商業漫画版を第2巻まで読んだ状態で本作を読み、書かれました。