主人公は、安定した事務職希望だったはずなのにうっかりミスで警察官になってしまい、交通違反の取締りを張りきってたら刑事になってしまったアラサー女子、椎名真帆。占いが趣味の伯母との二人暮らしだが、刑事となってからは古びてきたスーツを買い替える余裕もなく、女子会にも参加できていない。捜査会議で本庁のイケメン同期と再会できたときには、オヤジ上司のセクハラもどきや当たりのキツい先輩にささくれた気持ちも少しは癒やされる。
そんなキャラクターに引き込まれるように読み始めてしまった。
ちょっと前にドラマ化された交番女子マンガ「ハコヅメ」の刑事版か? などと思いながら読み進めていったが、初めて担当した死体遺棄事件には、自身の記憶障害の原因となった幼少期の事件が関係しているようで……。
女性刑事が主人公なのだから警察小説ではあるのだけれど、残念ながらミステリーとは言いがたかった。
トリックらしいものも無く、推理も無い。あれあれと思ってるうちに棚ぼた的に事件は解決してしまう。いや、まあ、伯母さんの占いで主人公は「棚ぼた人生」と予言はされてたけど、それって伏線じゃないでしょ?
ほかにもいろいろとツッコみどころ有り有りな展開に、これじゃ2時間ドラマでも採用できないかなぁと思ってしまう。
本作のあと、「刑事に向かない女 違反捜査」、「刑事に向かない女 黙認捜査」と続いた3作でシリーズ終了かと思ったてたら、別作品を1冊挟んだのち、「圏外捜査 特命捜査対策室・椎名真帆」でまさかの復活!?
でも、いつも前向きで明るさを失わない主人公には癒やされたので、今後もスキマ時間があれば読んでみようかと思ってる。