ビール・ストリートの恋人たち (早川書房) [Kindle]

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  • 主人公ティッシュを取り巻く世界が過酷すぎるのに箱庭みたいにうつくしくキラキラしていて、あとファニーがイケメンすぎて(朝帰りすることになったティッシュを家まで送ってご両親に挨拶するところとかもう…)、どうかこの世界を壊さないで、ハッピーエンドにしてください、と祈るような気持ちで読み進めた。そして、それまでの流れるようにうつくしい文章がふいに粗っぽくざらざらとしたものに変わって迎える最後。ハッピーエンドを願うなど自分はなんて愚かな読者だったのだろう、とほとんど笑いそうになった。ただ、過酷な世界は終わらないけれどこの箱庭みたいにうつくしい世界も終わりはしない。傷つけられてもなお続くのだ。昨年『私はあなたのニグロではない』を観て、読んでみたいと思っていたジェイムズ・ボールドウィン、もっと古めかしく難しい感じなのかなと思ってたけど、そんなことは全然なくて嬉しい誤算だった。翻訳もすばらしい。

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著者プロフィール

1924-1987年。アメリカの作家。60年代公民権運動の中心的思想家としても活躍。2018年、『ビールストリートの恋人たち』がバリー・ジェンキンス監督によって映画化。

「2019年 『ジョヴァンニの部屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジェイムズ・ボールドウィンの作品

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