モリのアサガオ1 [Kindle]

著者 :
  • 電書バト
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  • 死刑賛成と反対に揺れ動く刑務官の漫画。
    中にはあり得ない設定もあったけど、リアルな部分もあった。

    最終的に、死刑を宣告され、いつ執行されるか分からない恐怖と戦う中で、死刑囚は自分の命と向き合うことができ、はじめて自分の犯した罪を悔いることができる。
    そして、人間性を取り戻して穏やかに刑の執行を受けることができる。
    だから、やはり死刑制度は必要という結論に主人公は思い至る。
    私もその考えには納得。

  • kindle unlimitedで全巻読了。ずっと気になっていつつ、取り扱っている題材と独特の画風から何となく敬遠していたが、一話を読み始めると止まらなくなり、休日一日どっぷり使い切って読んでしまった。

    死刑はあるべきか否か。境遇や立場の違うさまざまな死刑囚を前にするたび、主人公・及川の主張も行きつ戻りつする。こんな罪悪人がいるなら死刑はあるべきだ、こんな罪悪人でも改心するなら死刑は撤廃すべきだ…。決してひとところにとどまらず、心情が必ずしも一定でないところは、「優柔不断」ではなく「人間臭さ」を感じる。

    もう一人の主人公とも言える渡瀬との心の交流、そしてその結末には、涙せずにはいられなかった。初めは及川の中でひたすら「憧れ」の対象であった渡瀬が、意外な子どもっぽさや弱さを徐々に打ち明けていく様子も良かった。

  •  全巻まとめて39円で購入( ´ ▽ ` )ノ

     まったく前知識なしに読み始めたんだけど、けっこうな話題作で作者さんも有名な人(*)だったんだ? 「きらきらひかる」って、名前だけは聞いたことのある作品だし(ドラマ版でかな? どのみち見たことないけど)(←江國香織による小説とその映画版とは全くの別物、らしい)。
     
     キャリアの息子である新人刑務官・及川直樹が主人公で、そういう職業にも「キャリア」というエリート層があることにまずびっくり(別に差別意識とかそういう意味ではなく)(゚д゚)!
     いきなり死刑執行シーンからスタートするんだけど、これを始めとして拘置所内外の描写が極めてリアル。よくよく丹念に調べ上げてあるんだなあと感心した。
     死刑囚の日々の生活は、刑務作業もなく、お菓子食べたりエロ雑誌読んだり、服装髪型も言動も比較的自由で、意外に気まま。
     が、いつ「お呼び」がかかるのか本人にもその当日まで知らされないので、連日ピリピリ。生死に関わることについては極端に過敏になっている。
     そういう刑罰だと言われればそれまでなんだけど、地雷原で薄氷を踏むような神経戦を送る毎日。

     凶悪犯に対してすぐ「あんなやつ死刑にしてしまえ」という風潮があるけど、そこに疑問符を投げかけるのが本作。
     はたして社会が個人に死を命じる権利はあるのか否か?
     かつまた、実際に死刑を執行するのも人間であり、彼らにもまたそれぞれの人格・性格・思いがあるという事実。
     本作では新人・ベテラン・温情派や非情派、様々な個性の看守たちがそれぞれの視点から日々直面する生と死の問題についての考察が緻密に描きこまれていく。

     語り口は堅実で、力作にして秀作。
     絵柄はかなり独特で好き嫌いはっきり分かれるかな?

     世間から隔絶されその中は謎に包まれているところから拘置所を「森」に例え、(死刑が必ず午前中に執行されることから)死刑囚を朝に咲いて昼にはしおれる「アサガオ」に見立てたのがタイトルの由来。まあこのタイトルセンスについては、解題後にもいまいちピンとこないんだけど......

     作品内容とは全く関係なく、何のために描かれたのかよく分からない(タコ)アシスタント嬢によるおまけマンガ併録。これは2巻以降も続くもよう(>_<)
    (以下続刊)
    2021/07/05
    #2129






    (*)わっ(゚д゚)!
     いまウィキってみたら この作者、アシ(まさか、くだんのタコ嬢!?)へのセクハラ・暴行(かなり悪質)で逮捕されてんじゃん(>_<)
     やはりアシを務めてる妻(猿)による私生活まんがも本巻におまけ収録されてるけど、その中では至極温厚な善人として描かれているのに......(´ε`;)ウーン…
     これから続きも読むのに、余計な先入観がついちゃったかも......(´ε`;)ウーン…
     
     
     

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