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感想・レビュー・書評
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「平将門と天慶の乱」乃至政彦。2019年講談社現代新書。
「平将門って、新皇、という概念持ってきたのってすごいよなあ。よく知らないなあ」というだけの衝動買いした一冊。結論から言うと、やっぱり良くわからないんですね(笑)、単純に史学的に史料が足らないんだということが分かりました。
律令制がほころび始めている西暦900年代。つまりこれって「源氏物語」以前なんです。良く分からないけどとにかく平将門が現在で言うところの茨城・千葉・東京・群馬・埼玉あたり?で、小競り合いを展開して大きな勢力になって、敵対勢力が中央に讒言して「朝敵」扱いされて、結局その地方の勢力同士の中で敗北して死んだ(京都朝廷の大号令の下に長征軍が作られて、そこと戦ったわけではない)。言って見ればローカルな話の中で終わったんですね。ただ、もともと皇族の血を引く家だったこともあり、「新皇ってことで、関東は俺が自分で治めようかな」みたいなことをやっちゃった記録が残っているのが刺激的。ただまあ、それは分家しちゃおうかなってことで、概念的には革命性は無いんだな、ということが分かりました。それで言えば、やっぱり源頼朝と北条氏が成し遂げた武家政権樹立の方が「世の中の仕組みごと変える」凄みがある。
本としてはちょっと書き手の思い入れが却って読みづらいところもあったかな、と思いました。
まあ将門は「良く分からん、謎」という佇まいのロマンがいちばんの魅力なんでしょうね。なんといっても西暦900年代の出来事ですから。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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