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感想・レビュー・書評
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前巻は陽子さんとざしこのお話だったから、ひかりたちのお話がすごく久しぶりに思える。
で、そんなひかりたちのお話から入った今巻。
…いい。
めちゃ、いい…。
「出会いがクソ最悪だったのに仲良くしていられる」の、すごくいい…。
雪ちゃんも、いまでこそコミカルに笑うし笑いを取るようになったけど(本人は笑いをとってるつもりは無いかもだけどw)、やぱし登場当初の頃の自分の能力に悩んで人を避けていた頃を思うと、ここまでみんなの仲が前へと進んだというのは感慨深いものですわー。
そういう積み重ねを描いてきた作品においては、キジムナーのカオルンの悩みは割とあっさり目に解決したかなー。
本当に解決したのかどうかは、沖縄へ戻ってみてみないとわからにけど。
しかしカオルンの登場の意味というのは、これまでと同じように亜人と人の悩みを解決することではなく、世界の成り立ちという物語の根幹への導入というバイプレイヤーの意味合いが大きいのだろうから、淡白なのも致し方なし?
それでもキジムナーの亜人としての特性を科学的な見地から明文化していく様は、まさしく今作の真骨頂たる面白さでしたなあ。
実際、ざしこの時は理屈が先に立っていたような気がしないでもなかったのですが、しかしそうした外枠を用意しておいて今巻のキジムナーで内堀を埋めたような感覚。
こういうのは楽しいですねえ。
これからの展開に期待してしまう-。
…今巻のラストに緊迫感が漂っているだけに!!
巻末収録の陽子さん主人公の「オカルトちゃんは語れない」も、本編のテイストを壊すことなく落とし込んでいて面白かった-。
本編がフォークロア寄りの事象を扱うのに対して、こちらはアーバンレジェンド寄りなのかな?
それでも「現象」としての言語化には同じレベルのアプローチが成立しているのが興味深いなと。
そして1話にして本編にも通じるような世界の成り立ちに接触していることに焦るわー。
本編を喰う勢い。
個人的に、アーバンレジェンド大好きなので、こちらも楽しみにしていますー。