Kindle版読了。
黒魔術が得意で甘やかされてわがままに育った20歳ツンデレ令嬢ヒロインと、聖獣の血を引く幼馴染兼婚約者でヒロインの歪んだ表情や泣き顔を見るとゾクゾクするという変態属性持ちの18歳騎士ヒーローとのラブコメディです。
『オオカミ将軍はぽちゃ姫様がお好き』のスピンオフ作品で、前作ヒーローの弟とライバル令嬢が今作の主役です。
読了後の正直な感想としては、残念ながら前作よりインパクトは弱かったです。
年下ヒーローという事もあり、敬語ヒーローです。
前作から3年後で、当時15歳の少年だったヒーローも18歳の青年に成長していました。
婚約者となった変態属性ヒーローから3年間逃げては捕まりを繰り返し、それでも諦めずに結婚式当日に逃亡したヒロインに堪忍袋の緒が切れた両親からとうとう勘当を言い渡されてしまいます。
実家から追い出されたヒロインは当面の生活の場を得ようと王宮メイドに応募しますが、またもやヒーローの罠に掛かり、騎士団長となっていた彼の専属メイドとなってしまいます。
…前作ヒロインとヒーローも登場します。
ヒロインが妊娠中で、相変わらずラブラブでした。
愛妻の為に育児休暇を取るオオカミ将軍が、現代的で素晴らしいです。
前半は変わらずにわがまま令嬢のヒロインでしたが、途中からヒーローの執着愛にも絆され始め、少しずつ周囲の意見も素直に受け入れて大人になっていきます。
諦められずにいた前ヒーローの子供をヒロインが身籠っていた、という衝撃も大きかったのかもしれませんが、ヒーローに流されるのが意外と早く思えたので、今迄の3年間はいったい何だったんだ…と、ちょっと思ってしまいました。(^_^;)
王宮内で下働きメイド達の失踪事件が起きますが、性根を入れ替えたヒロインが得意の黒魔術を使って積極的に事件解決に協力しようと行動したのが良かったです。
ただ、黒幕が初めから怪しい人物だったので、意外性がなかったのが残念でした。
本番前の味見は何度もしていたヒーローですが、初Hはラストに1回だけでした。
お互いに初体験同士の2人で、ヒーローも幼い頃からヒロイン一筋だったのでDTなのが嬉しかったです。
終章は2年後で、失踪事件の後始末で東国へ赴いていたヒーローが帰国し、ようやく新婚生活を迎える事が出来てハッピーエンドで終わります。
前作ヒロインとヒーローの息子が可愛かったです。