- Amazon.co.jp ・電子書籍 (139ページ)
感想・レビュー・書評
-
小学校高学年の課題図書に選ばれた本作。
ジェンダー、遊郭、貧困、米軍基地、差別…切り込むべき視点がごろごろとある。
これを小学生が読むのかと思うと、いいぞ、と思った。
平和な世界しか知らないで生きている子たちが、こうやって日本に残されている課題に向き合ってみるのも、大切だと思うから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
沖縄の小学六年生、大城珊瑚が主人公の物語。
新学期に書いた「六年生のゆめ」の珊瑚の作文は、ひらがなばかり。それを学級委員の詩音に、あなた何年生?とバカにされる。親友のくるみには、「勉強すれば詩音くらいになれるよ、あんな難しい沖縄民謡歌えるだから」と、励まされ、珊瑚は、「かみさま、わたしはちかいます。わたしはべんきょうします。このはすがしさをわすれず、べんきょうします。」と誓う。
そして、珊瑚は、辞書を引きながら日記を書き始める。
ベルバラのオスカルのようで、見ると珊瑚のドキドキが止まらない転校生の泉月、優しいくるみ、詩音、一緒に暮らしているルリバーことおばあちゃんと、猫のダイヤなど、周りの人と珊瑚のやりとりが日記を通して綴られる。
沖縄の文化を背景に勉強は苦手だが、歌が上手で真っ直ぐな少女の日常が描かれでいて読み易い。しかし、その一方で、沖縄の米軍基地問題、貧困、SN Sなど社会問題も描かれる。
本の最後は、7月に書いた珊瑚の「二十歳の夢」の作文で、成長が実感できる。 -
児童向けで読みやすいけれど沖縄を舞台に、貧困、戦争、女性、地域と色々な問題が盛り込まれた作品だった。
初めの方は平仮名ばっかりで、何故?読みづらいなと思ったけど、それも、演出の一つと気付いたら
ちょっと本が好きになってくれるかも。
主人公の日記形式で書かれているのでさくさく読める。
普段から本を読んでいる子なら、1時間くらいで読み終わるのではないでしょうか。
読書感想文を書くなら女の子の方が書きやすそう。
最後に主人公が20歳の自分を想像して作文を書くので、同じように20歳の自分に向けて、今の思いなどを書くのがいいのではないでしょうか。