- Amazon.co.jp ・電子書籍 (137ページ)
感想・レビュー・書評
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非行少年が絵をうまく模写できない可能性として、ゆがんだ形で認知している可能性があるとした仮説に衝撃を受けた。皆と同じことを見たり、聞いたりしても理解できないと学校や社会で劣等感を感じていくのだろう思う。
いわゆるグレーゾーンと呼ばれる人たちは、診断の有無に限らず今も昔も同じくらいいたのだろう。人口が増え、大量生産・大量消費の時代だと、それらの人が社会に埋もれても、”ただの”と言っていいのか分からないが犯罪として明るみに出るだけだったのだろう。だが、今後は人口減少で、働き手が不足していく時代。社会の働き手として個人の存在意義が大きくなる中、治療や特別なトレーニングを受けることで活躍できる人が増える可能性があるのであれば、この本の内容がもっと世の中に広がってほしいと思う。子供の異変に気付ける、病院に通うなどして支えることは、家庭内でのウエイトが大きいので。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
軽度な(知的)障害に対する社会の取り扱いについて考えさせられた。
脳の機能の一部が通常の想定している7~8割のレンジに入っていないことで生じる言動が異質ととられ社会から弾かれる。
この行く先が非行や反社会的な行為に繋がり、更に社会的に抹殺されることになる。
人はそれぞれが多様でありそれを認めていくべきとの流れがある一方で、ルールや常識を外れた人に対して厳しい社会的制裁も課す世の中。これは必ずしも皆にとってよい方向になっているわけではないだろう。
7割レンジから外れた人への目線や取り扱い。様々な社会現場において、その存在をしっかり認識して、受入れ・教育に配慮をしていくことの大事さを感じた。 -
非行にはしる子どもは障害があるケースが多い。空間認識能力に問題があると、正しく面積を捉えることができず、ケーキをうまく等分することができない。
この本は大ヒットした理由の一つとして、タイトルの秀逸さがあげられると思う。非行少年を上から批評・分析する立場にたたせてくれる点が、ビジネス書購買層のボリュームゾーンである40代〜に刺さったのだろう。
著者は「コグトレ」という、認知機能を強化するプログラムの運営を行っているようである。
この本を読み、認知機能とメンタル面には強い繋がりがあると、確信を深めた。教室の生徒さんのアンケートに、精神的に安定するようになった、という旨のコメントが多いのも納得である。 -
家庭環境によって非行の道の有無が決まることが多いと思っていたのですが、実際は、家庭環境にも左右されることもあるけれど、発達障害、知的障害、それもボーダーのグレーゾーンにいて支援を受けられないまま育った人がそれなりに多いという事実に驚きました。
IQ検査など様々な検査がありますが、それが高いから問題ないかというとそうでもないらしいのです。
グレーゾーンの人たちにいかに早く周囲が気づき、支援を差しのべられるかが課題とのこと。
実例などについても書かれていて中々知ることのできない世界、そして自分の勝手な犯罪者に対するイメージが覆され、内容はすべて興味深かったです。
やみくもにとにかく矯正!では駄目なのですね。
再犯を防ぐため、また支援を受けながらも社会に出て暮らせるよう、このような取り組みが全国で広がればよいな、と思いました。 -
本書によると、認知機能に問題がある子が非行を繰り返すようです。
文字通り、ケーキを等分に分割することができない子がいるらしい。
もしかして政治家にもケーキを切れない人がいるかもしれません。
だいたいやね、税金の使い方が間違っとるんや。
必要なところに税金がいかず、無駄なところにばかり回っとる。
意図的なのか本当に分からないのかしらんけど、「ケーキの切れない悪徳政治家たち」やね。
OLDIES 三丁目のブログ
ケーキの切れない面倒くさい政治家たち 日本亡国論 -
https://diletanto.hateblo.jp/entry/2022/05/02/200552 -
少年犯罪の原因の多くは「見る」「聞く」などの認知能力の欠如であるということはとても意外だった。
事件の報道では加害者を「生まれながらのサイコパス」のように糾弾する論調が多いように思う。
しかし大切なことは、第二の加害者・被害者を生まないための教育体制を議論することだと痛感した。 -
・思っているよりも軽度知的障害の人はずっと多い(1クラスに5人くらい)
・文字を認識するのが苦手、数を量として捉えられない、体の使い方が下手で運動ができない、コミュニケーションがとれない
・学校生活に馴染めずイジメにあう、あるいは虐待を受ける→ストレスから性犯罪、主体性がないので流されて非行に走る
・現在の基準ではテストを受けても知的に問題はないとされてしまうことが多い
・少年院でも、反省以前に自分のしたことが犯罪であると認識できない
自分が子供時代にもこういう子は少なからずいた。
不真面目が原因ではなく、障害のせいだったのかもしれない。
誰にも気付かれず、1人悩んでいたのかもしれない。
本来なら守られるべき子達がそのまま社会に出て、不適合になっていき、刑務所へ、というのは本人にとっても社会にとっても不合理。
受刑者1人に300万の運営費。
著者の経験では、少年院に入ってきた子が変わるきっかけは、「自己への気付き」と「自己評価の向上」。
本来なら小学生からサポートしていくべき。
そのためには学校教育の変化と、大人の理解が必要。
改めて無知は罪だと感じてしまった。
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知的障害と犯罪の因果関係について、また、知的障害者に対する教育方法と犯罪抑止について、一般的に誤解されていることをわかりやすく説明しています。全体の16%という数字は、我々が生活していくなかで、すごく身近な人もそれに当てはまり、他人事ではないと認識しなければならない、と感じた。