Kindle Unlimited版読了。
妹に婚約者を取られ婚約破談になった、料理好きで優しく真面目な18歳公爵令嬢ヒロインと、食事をする事が苦手な元プレイボーイの大国の国王ヒーローとのラブストーリーです。
生まれた時から将来の王妃になる事が決まっており、幼い頃から王妃教育に全てを費やしてきた公爵令嬢のヒロインでしたが、毒親と甘やかされてわがままに育った妹の企みにより王太子との婚約が破談となります。
追放された形で王都を離れ、忠実な侍女と2人で寂しい田舎暮らしが始まりますが、思わぬ形で自由な生活を手に入れ、これからは趣味の料理を思う存分に出来る事を嬉しく思っていました。
そんなある日、ヒロインが美味しい食べ物を食べる目的で外国を旅行している道中で、食べる事が苦手なヒーローと出会います。
ヒロインと同じような境遇でヒーローが育った事を知り、食べやすいような手作り料理を披露するとすっかりヒーローに気に入られます。
1年後、実は大国の国王だったヒーローがヒロインを迎えに来てくれ、彼の専属シェフとして大国に滞在する事になります。
…ナンパヒーローの誘いを、恋愛事には鈍感で初心なヒロインがことごとくスルーするのが楽しかったです(笑)。
ヒロインが子供の頃に毒親の影響で拒食症になりかけたのを、優しい祖母の影響で料理が趣味になったというエピソードが良かったです。
ヒーローも父親のDVが原因で食事をするとトラウマが引き起こされ、食事が苦手になっていたという似たような過去持ちのカップルでした。
ヒーローは周囲も認める女性遍歴が派手なプレイボーイでしたが、基本的には努力家で真面目なので睡眠を削って政務に取り組んでいます。
もしかして、ヒーローがプレイボーイだったからこそ色々な女性を見てきた経験値でヒロイン妹の嘘に騙されなかったのかと思うと、ヒーローの女性遍歴も無駄ではなかったのだと思います。
初Hは婚前交渉で、媚薬を抜く目的で致したのが残念でした。
ヒロイン妹にざまぁな結末があったのは良かったのですが、両親と王太子に明確な仕置きが説明されてなかったはモヤモヤが残りました。
予想以上にヒロインが料理をしてたTL作品でした。
しかし、ヒーローはヒロインと出会った時から国王だったのですが、タイトルが何故『王子』なのかは謎です。