出稼ぎ令嬢の婚約騒動　次期公爵様は婚約者に愛されたくて必死です。【特典SS付】 (一迅社文庫アイリス) [Kindle]

著者 : 黒湖クロコ

• 一迅社 (2019年9月20日発売)

感想・レビュー・書評

[満開さんの感想 · 2021年6月2日]

後ろ向きで大嫌いな自分を変えるきっかけとなった公爵家嫡男ミハエルを、神様と崇め奉る貧乏伯爵家の長女イリーナ。
身分を隠して、色々な貴族家で短期で働くようになり十年。いつものように短期の仕事を終え、実家に帰ると、父親から政略結婚の話をされた。
いつかはと覚悟していたこと。でも、その前にミハエルのために働きたいと、いつも仕事を斡旋してくれる母の友人イザベラにお願いする。イザベラは、イリーナの気持ちを汲み、結婚前の思い出作りと公爵家の臨時使用人としてねじ込んでくれた。
イリーナは婚約者の名前を聞かなかったため、自分の婚約者がミハエルだと知らないまま公爵家へ。ミハエルは婚約者が使用人として家にいてビックリ。
さてはて、どうなる？


サブタイトル通り、ミハエルは、神様ではなく男として見てほしいと、イリーナの信仰心を愛に変えるために頑張ってた。

イリーナはスーパーウーマンだった。十年間の努力の結果もあると思うけど、天性の部分もあると思う。腕力とか。そっち系は。

涙が出そうになったのは、イリーナが死にそうになったあと、レフと再会するシーン。短いシーンだったけど、軽口のような注意にぐっときた。

現時点で3巻まで出ている。2巻はどんな話なのか、楽しみ。

[sakuraさんの感想 · 2020年4月29日]

Kindle版読了。

子供の頃に出会ったヒーローを神様のように崇拝しながら身分を隠して出稼ぎで実家を支えている18歳貧乏伯爵令嬢ヒロインと、楽しい事が大好きな文武両道で眉目秀麗の21歳公爵嫡男ヒーローとのすれ違いラブコメディです。

顔も知らないヒロインの婚約者が、実はヒーローだというのは物語早々に明かされるので、ドタバタすれ違いを楽しむラブコメディです。
ヒロインのヒーローを慕う気持ちが腐女子並に斜め上に突き抜けてはいましたが、面白かったです！

政略結婚ではなく、ヒーローも一途にヒロインだけを想い続け出来て結婚を申し込んできたという純愛系です。
公爵家の屋敷内で起こるヒロインとヒーローのすれ違いを楽しむ物語かと思ったら、氷で出来た神形（みかたち）が自然発生するのを討伐しないと人間社会に被害を被るといった世界観がちゃんとしているので感心しました。

ヒロインは雪深い辺境に領地を持つ、貧乏伯爵令嬢です。
ヒロインとヒーローの出会いは10年前で、ヒロインは誕生日前の7歳、ヒーローが11歳の時でした。

…あらすじだけ読むと、どんな破天荒なヒロインかと戦々恐々だったのですが、読んでみたら実家思いで、雲の上の人のような手の届かないヒーローに憧れ、政略結婚前にせめてヒーローの為に働きたいと願う健気な女の子でした。
本人は無自覚ですが、10年の努力の賜物で、家事も武芸もどんと来いのスーパー使用人状態です。

登場人物達の名前や終章の雪祭りの屋台で思いっきりピロシキが登場していたり、あとがきでサモワールについて紹介されている事から、モデルとなっている国はロシアのようです。

ヒーロー視点あります。
雪祭りの日に初めて出会ったヒロインが初恋相手で、ずっとヒロインを探していて使用人として働く姿を時折見掛けており、ようやく伯爵令嬢だと知り、結婚を申し込んだ事が分かります。
…ヒーローは基本的に腹黒策士系のようですが、ヒロインの事になると妹2人に恋愛相談をするくらいのヘタレになります（笑）。
楽しい事が大好きという家系の中でも特にいたずら好きのようで、予測不能なびっくり箱のようなヒロインに惹かれたという理由に納得出来ました。

ヒーローの女装姿が、黒色の帽子と服装の所為でメーテルかと思いました（笑）。

ヒロインが頑なにヒーローを男色だと思い込んでいるのが、流石に読んでてしつこく感じました。

結局、ヒロインが婚約者の正体がヒーローだと知るのは、終章直前のラスト近くでした。

続けて2巻を読みたいと思います。

[mousemickeyさんの感想 · 2019年9月30日]

ドタバタ具合がすごく面白かったです。
できれば騎士団長の胃が痛むひとか、
義妹たちの兄の観察日記とかいろいろスピンオフとかも読みたいし、今後の二人とか結婚式とかも読みたいです。