- Amazon.co.jp ・電子書籍 (263ページ)
感想・レビュー・書評
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面白くて一気読み。
検察と裁判所の馴れ合いには、こんな事が実際にない事を願うばかりです。(実際はあるのか?)
娘の亡き父の無罪を晴らそうとする執念と父の無念が、悔しすぎて涙が出た。最後の新犯人にはびっくりさせられた。 -
『消された文書』がなかなか良かったので本書も手に取ってみる。北海道を舞台に、無実を訴えながら再審請求中に死刑が執行されてしまった父親の無実を証明すべく、再審など絶対に棄却したい司法(検察と裁判所)と戦う娘。検察側でも個人的には悩みつつも組織の論理に飲み込まれてしまう検察官が描かれる。焦点はDNA型鑑定の不確からしさ。検察(官僚)の態度が分かり易すぎて、非常に強い現実感。冤罪死刑が執行されてしまった後だけに、どうしたってハッピーエンドとは言い切れないけれど、主人公が新しい人生を踏み出せるようになって○。
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青木俊の作品を初めて読んだ。上智大学卒業後にテレビ東京に入社。55歳で独立し作家デビューをする。リアリティのある描写は圧巻である。
人は、実際に起きてはいないが、起きうることを想定することがある。しかし、あくまで想定なので細かいところまでは想像力が及ばない。そこを見事に補ってくれるリアリティのある作品、まるで事実のように描かれた本作のようなミステリは傑作である。
さらに、強いメッセージ性があると望ましい。それは「想像力の欠如への警鐘」となることが多い。
本作への私の評価は以下の通り。
①ストーリー展開★5
読者を引き込むストーリーと一気に読ませるテンポの良い文章が素晴らしい。
②メッセージ性★5
司法や死刑に対する強いメッセージをその中に折り込む筆力は極めて高い。
再び読みたい傑作であった。 -
裁判や捜査に関する用語がおおいので、実際のページ数よりもボリューミーに感じましたが、結局260ページほどしかないので展開自体は早く、気付いたら終わっていました。
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無実を訴え続けていた死刑囚の刑が執行された。
残された娘は父の無実を信じ続ける。
有罪とされた証拠は捏造されたものだったのか???
真実を明らかにしようとするけど
何としても隠蔽しようとする検察側。
この小説はフィクションだけど
今の日本では、権力のもとにこういったことが行われているんだろうなと思わざるを得ない。
と、現実と重ねて苦々しい思いで読んだ。 -
フィクションだけれど、ある日突然、自分が巻き込まれないという保証はないという恐怖と、
そうなった場合に翻すことの難しさに、絶望を感じる……そんな怖さがじわじわきました。