現実逃避してたらボロボロになった話 [Kindle]

著者 :
  • イースト・プレス
3.63
  • (2)
  • (6)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 96
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (140ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 当ページでも何作か紹介している永田カビさんのエッセイ漫画です。この方の作品(特にエッセイ)は本当に色々えぐってくる作品ばかりです。ひょいっと読んだら自分の根深い根本のところを持っていかれてしまいます。それだけ力のある作品です。

    今回、アルコールからの膵炎になって病院に行くところからその事を作品として生み出すところまでの話なのですが、本当に色々えぐられました。

    私、実家の方では「膵炎」と言われているのです。何故かというとメンタル病んで一時期実家に帰ってたことがありまして、その際に「近所の人に言うの面倒だから。胃炎だと症状とか知られてるけど、膵炎なら知られてないから。」という母の言葉により私は「膵炎」になったのです。ちなみに母方の祖父(すでに鬼籍)にも同様に「膵炎」と言っていました。

    確かに私も飲んだくれですし、酔っ払っての奇行はたくさんありますが、膵炎にはなったことはなく、作者が1112まで上がったγーGTPも600超えでおさまりました。(現在は基準値内です)痛いんでしょうね。想像がつきません。そんな膵臓とのおつきあいの仕方や、入院中の様子も色々えぐってくるのですが、何よりは後半の「書く」事に対しての姿勢を考えるあたり、禁じていたエッセイを書くところが私の心にぐさぐさえぐってきました。私もぬるい文章ばかり書いていてはいけない…。と何度も思わされました。でも、血みどろになった心の傷口をのぞき込む勇気がまだ出ません。

    ぬるい文章で申し訳ないです。

  • Amazonのレビューは「アル中でメンヘラのお話」とそれはそれは辛辣なコメントばかり。そう言ってしまえばそれまでですけども...今のところ、どちらもあまり縁がない私としては、こうやってアルコール依存症になっていくんだなぁと驚きもあり、悲しくもありました。

    ブログにて詳しいレビューしています*
    https://happybooks.fun/entry/2021/01/31/104049

  • 令和の太宰治か!?と思った。
    誰かが「エッセイ漫画の神様に愛されてる」って言ってたけど本当にそれだなって…。
    著者の漫画に賛否両論あるだろうけど、その賛否両論が起こる構造そのものが美しい。約束を守れなくてお酒を飲んでしまう著者、傷つきながら生きている著者を見て共感を覚えてしまう読者、そこに反発をおぼえて批判的になる読者、全てが美しく思ってしまう。人間は様々で、きっと完璧じゃないのだ。あなたも、わたしも。

  • どうしてこうなった???
    親に甘えたいとか、自分が寂しいとか色んな要因があると思うけど…永田さんはエッセイ向けなのは分かる、けどネタとして自分を犠牲にしなくてもいいのでは(父親の文ママ)とゆう気持ちでいる。心配になりつつも、お米は大事にね!!!!!

  • すごくわかりやすいメンヘラさんだなー。

    お体に気を付けて漫画続けてほしい。

  • 飲みすぎはほんといかんね。

    でも飲まなくちゃやってられんときもあるし
    これは難しいな。

  •  このコミックエッセイは本屋で買って読んだ。もともとpixivコミックで同著者の「一人交換日記」を読んでいて好きだったから、最新刊も手に取ってみたかった。今回は著者がアルコール性急性膵炎と脂肪肝を患い入院したところから退院したあとまでを綴っている。
     この作者の作品で好きなところは本当に飾らずありのままの自分を書いているところだ。入院する前からADHD、うつ病、摂食障害を患っていて前作ではその闘病生活について書いているのだが、精神的に不安定な状態を形にしてくれることに対してありがたいと感じる。
     私自身高校1年で学校を退学してから体調不良で寝込むか、本来しなくてはならない勉強が全く手につかなくて本ばかり読んでいた時期があった。そのころから今でも継続して通っている病院(心療科)のほかに何件もの病院にかかったが、どんな検査をしても問題がみつからず病名もはっきりしない。具体的な病名、治療法がないのにただ時だけが過ぎていくとなまけていると勘違いされてしまうことがあって、親からの視線は冷たかった。
     今では自律神経失調症が一番自分の病気に近いのではないかと思っているけれど、この病気も心と肉体両方のトラブルとして起きる病気だ。精神病をそうでない人に説明することは難しいし、理解もなかなか得られない。こういった作品が世に出て少しでも世間に理解者が増えればいいと思った。

  • 医療側の立場ではあるので、
    医療はうけてくれよとか、食べないのたぶんバレてるなとか、限度額認定証使ってるのかしらとか、そういう細かいことが気になる。
    漫画家さんって逃げ場持ってるイメージだった。
    人の作品や自分の絵から、漫画に至ると思うから
    描くのも人の作品に浸るのも、
    逃げ場にもなるのかと。
    でも苦しいのね。私は酒には逃げないけど、たぶん少しはわかるし、私の逃げ場はまあまああるのだった。
    是非この方が、この方自身以外に目を向けたときにそれをどのように描くのか、人の人生とか、見てみたいものなのだが。(家族はこの方には、癒着していそうなので、それ以外で

  • 突き刺さる本。後半特にいい。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

大阪府在住の漫画家。著作に「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」「現実逃避してたらボロボロになった話」(イースト・プレス)、「一人交換日記1、2」(小学館)、「迷走戦士・永田カビ」(双葉社)がある。

「2022年 『膵臓がこわれたら、少し生きやすくなりました。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

永田カビの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×