- Amazon.co.jp ・電子書籍 (548ページ)
感想・レビュー・書評
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読了後、1週間かかっても適切な感想の言葉が決まらない。切ない、ムカつく、超面白い。
知人に読んでもらって、感想を伝えて貰いたくなる。
そうだ、最後まで残ったのは、「切ない」だ。 -
一気読み。面白かった。
まず香港の描き方が良い。2000年前後の日本でよくフィクションで描かれていたような、エキゾチックで、危なくて、羽振りが良く、どこか懐かしい、そんな香港の描写がずっと続く。登場人物も魅力的でありながら不穏で、敵か味方かわからないハラハラ感でページがどんどん進む。
一方で設定がちょっと甘いところもあり、話の展開の都合が良すぎる点などツッコミだすとキリがない。タイトルの「マクベス」ももう少し効果的に料理できたのではないかな、と思わないこともない。ミステリ的な要素をきちんと具えたハードボイルド小説を読みたいならチャンドラーなどを読んだほうが良いかもしれない。
でも香港の描写と魅惑的な登場人物たち(特に伴、森川、蓮花)、最後まで疾走感を失わないプロット、そしてわかっていても心揺さぶられるエンディング、それだけで十分すぎる良作だと思う。 -
サスペンス小説なんだけど、話の芯は置き忘れた青春の話。
社会人としての、そこそこの成功。そこからの落とし穴。なにを傷つけ誰を守るか。
出会った頃からの、変わらないパスワード。そこに込めたものが通じて、物語と心が進み始める。
主人公が持つ秘密を教えてからの、ラストシーンがナイフのように心に刺さりました。
#2023年の読了本
#読書 -
初、早瀬耕
書店のPOPがやたら気になるが、600ページの大作になかなか手が出ずも、今日に至る。
ハードボイルド、スパイ小説、ミステリー、恋愛小説・・・様々な要素が入り混じりながら圧巻の600ページ。
途中訳がわからなくなるところもありながらも、ほぼ一気に読めた。文体のクールさが、いまいち臨場感やスリル感を増幅させない原因か?
キューバ・リブレが飲みたくなること必然 -
本屋さんのポップが熱くて、買わずにいられなかった。小難しい、堅苦しいかなと思ったが、読みやすく、引き込まれ、最後まで飽きさせず面白かった。
こんな状況には陥りたくないが、海外のバーで
キューバリブレを飲みたくなった。
伴に感情移入してつらかった。中井に対する感情は人は誰しも持っているんじゃないか…とても切なかった。 -
シェイクスピアの「マクベス」になぞらえながら主人公達が企業の陰謀に巻き込まれていく…。陰謀に巻き込まれる系の作品は大体主人公はそれらに果敢に立ち向かう姿がよく描かれてると思うのだけど、今作の主人公は王の資質を持っており自分が巻き込まれてるのに超然としててまるで他人事。読んでる僕の方が読み方を間違ったんじゃないか?場違いな印象を持たせてくる。僕的には村上春樹に似てる?って思った。村上春樹はストーリそのものが不思議な世界に行ってしまうけど、この作品は読んでる僕の方が不思議な世界に行ってしまった感じ。上手く言えないけど。他にも色んな要素が入ってるので読み応えもあるし、めっちゃ面白かったわ。
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早川耕と出会った最初の1冊目。
分厚さに最初読み終わるか…と思っていたが、壮大な世界観に圧倒され、香港からマカオまで、本当に旅をしているような気持ちとともにとともにあっという間に読了していた。
ミステリに分類するほどのあっと驚く仕掛けはない。けれど古典のマクベスになぞらえながら、数学やミステリや恋愛が全てぎゅっと濃縮された展開は次から次にページをめくってしまう面白さがあった。
この本をまだ読んでいない人がいるのが羨ましいぐらい。おすすめの一冊です。