近代日本と軍部 1868-1945 (講談社現代新書) [Kindle]

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  • 明治維新から太平洋戦争までの政治史を辿りながら、勝ち目の薄い対米開戦へと至ってしまった理由への探求を行っていく。
    結論としては、ナチスドイツのように意志決定者の暴走が引っ張ったのでは無く、ポピュリズム的な民衆迎合の政治を続けた結果、誰も望まぬまま戦争へ突入していったのが大日本帝国軍部の姿である。
    ある意味、議会的な手続きに軍部が理想を見続けた結果、日本を独裁しきれず、軍部としても不利な判断に突入させられてしまったというところが多いことを感じた。

    そことは別に、明治大正期の議会がバイオレンスすぎて楽しくなってしまう。仕込み杖で武装した部隊とかを用意するんじゃ無い。

  • やっぱり歴史というか出自による影響は無視できないんだね。「日本の国軍」の性格がどう形付けられてきたのかがよく分かる。士族ではなく徴兵による軍が必要だったのも納得だ。軍は政治に関与しないとちゃんと規定されてもいたのに。それが日露戦争の勝利でおかしくなり始めてしまう(図に乗った)。そして昭和不況が追い打ちをかける。政党や参謀本部も割とまともだったんだね。勉強不足だった。もちろん陸軍の暴走で昭和初期に腰砕けになるわけだけど。こうなると石原莞爾って最悪の先例を作っちまったわけか、と思ったところで、そも明治維新がそうだったわけだからどうしようもないよね。

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著者プロフィール

北九州市立大学教授。

「2011年 『上原勇作日記 大正六年~昭和六年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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