ブルーローズは眠らない 〈マリア&漣〉シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]

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  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  • シリーズ二作目。前作よりもストーリーも複雑になり重厚感が増している。ミステリとしても強度が増し、正直真相にはまるで気づかなかった。前作よりも謎を解明するのに必要な情報が満遍なく散らばっていて納得感がある。重要な情報の開示がラスト近辺に集中しすぎていないため、終盤は謎が紐解かれる気持ちよさを感じつつもエモーショナルな部分も楽しめる。青薔薇がテーマとなっていることで、様々な想像を掻き立てる。それが謎と密接に関わり、前作から引き継がれた世界観もあいまって、この世界で「どこまでが可能なのか」というリアリティラインの想像が謎解きの難易度をメタ的に上げている。これについては良いのか悪いのか判断がつかないが個人的にはあり、かな。

  • マリア&漣シリーズ2作目。前作より更に面白かった。
    過去と現在とが交互に語られ、関係ありそうなのに矛盾があり、しっかり結びつかずヤキモキ。グイグイ引き込まれる。
    密室は禍々しく美しい。現実は、今のところ作出されている青いバラはやっぱり紫っぽい感じだけど(園芸好きなので結構気にして見てる)、空色のバラも深青色のバラも想像するとうっとりする。 決着も面白かった。博士の正体には驚いた。
    ちょっと気になったのは、アルビノってそのまま遺伝するかな?

  • 自然に咲くことはない「青いバラ」。それが2人が同じ時期に開花したと発表される。その製作者がそれぞれ殺され、襲われるという事件が起きる。事件の関係者は少なくて読んでいてすぐに犯人が分かりそうな気がするが、章を読み進めるごとにどんどん犯人が分からなくなり、どういうことなのかさっぱり分からない。真相を知りたいがために一気に読み進めた。事件の計画には驚かされたが、理解力が足りなかったのかバラのトリックはイマイチ納得出来なかった。その程度のことならわざわざ何もせず問題なかったのではと思ってしまった。

  • ややこしく壮大なミステリー(いつもどおり)

    ・並行して語られる話(博士父、アルビノ母、アルビノ娘、居候少年)は実は20年以上前の話。

    ・今の、博士がアルビノ娘で牧師が居候少年。

    ・居候少年とアルビノ娘が、警察官に一家惨殺されており、その復讐のため警察官を炙り出そうとした。

    ・牧師が教会横に、博士が別邸に、それぞれ似たような温室を作り、蔦のカーテンには膨らみを持たせて窓から出れるようにした。

    ・博士は余命短く、牧師に殺してもらい、その命を賭して警察官を誘き寄せた。

    ・警察官は銀髪警察官ドミニクの上司だった。

  • マリア&漣シリーズの第二弾。

    前作もそうだったが、今回は青いバラをめぐる過去と現在の事件が交互に語られる。
    トリック自体は前作と比べてもそこまで。どちらかと言うと過去と現在に共通する人物の方が驚きだった(確かに性別わからないようになってたなぁと)。そして切ないラスト。良かったです。

    一捻り二捻りされたストーリーとキャラに魅力があり、次作も期待。

  • 前作も面白かったですが、こちらもすごい面白かった!色々予想しながら読んでましたが、おおよそはあっててもやっぱりびっくりする点もあって、所々胸に刺さる悲しかったり切ないシーンもあり。
    ラストはすごく感動しました。

  • 評価2.0
    audible 10時間5分
    kindle  368ページ
    スタートは読みやすい話ではある。でも、何か化け物が出てきて警官が焼かれてる。あまりSFが過ぎなければいいが。前作は科学上のSFだったので良かったが、化け物はちょっと。
    途中から時系列もよくわからなくなる。何が目的の殺人かもよくわからない。
    最後まで読んだが納得の行く説明は難しい。まず内容として非常に煩雑でわかりにくい。密室のトリックも理解しにくいし、そもそも復讐方法ももう少し何かありそうだが。復讐の相手もちょっと無理があるか。ちょっと気に食わないていどで、この本を読んでる間に同じ熱量は到底感じられない。動機とトリックと復讐方法となど難易度と目的があっているとは思えない。
    繰り返すが時系列は致命的で主人公が誰かすらよく分からなくなった。読解力の問題かもしれないが、前作ジェリーフィッシュはまあまあ面白かっただけに残念。

  • これまで実現不可能とされていた青い薔薇が同時期に別の人物から発表される。そして、起こる殺人事件。その裏に隠された悲しい物語。このシリーズの雰囲気はすごく好みであり、本格ミステリとしても秀逸である。

  • どこかの国の刑事コンビのお話。
    ありえない青いバラを巡る時空間トリック。

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著者プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』、『グラスバードは還らない』(以上東京創元社)、『神とさざなみの密室』(新潮社)など。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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