体育会系~日本を蝕む病~ (光文社新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 体育会系。それは、日本社会に蔓延る同調圧力という魔物の原因だ。2023年もあらゆる組織で、体育会系のこじらせを確認できた。

  • 確かに日本社会の中で生きてると、自然と体育会系的な根性論に強制的に参加されられてるな〜

  • 日本とドイツを自分ごととして知る著者ならではの鋭い視点・指摘が述べられていた。自分一人で体育会系メンタルで頑張ることは良いが、他人に何かを押し付けたり、組織的で動くのに精神論ばかりになるのは悪き体育会系である。人生もっと気楽に、それぞれが自分らしく楽しめるのが良いのだ。

  • NDC(10版) 302.1 : 政治・経済・社会・文化事情

  • 著者の考えにほぼほぼ同意.日本を蝕む病というか日本の成長を阻害し続けている病という表現のほうがしっくりするかな.
    ただ,体育会系という括りはイマイチで,もっと根本的な気質みたいなものだと思うけど,いい表現が思い浮かばない.

  • 東京都八王子市にあるWeb制作会社がInstagramで素手のトイレ掃除を「花嫁修行」と紹介して炎上した(「素手のトイレ掃除を「花嫁修行」と紹介 WEB制作会社のインスタに批判...何のために?社長の真意を聞いた」J-CASTニュース2021年4月16日)。批判が殺到し、投稿を削除した。
    素手とパワハラには親和性がある。埼玉県の中学校でも生徒に素手で便器掃除させ、それを美談に仕立てていた(サンドラ・へフェリン『体育会系 日本を蝕む病』光文社新書、2020年)。藤嶺藤沢高校硬式野球部は2020年9月、男性監督が練習中に1年の男子部員に素手でノックを受けさせ、全治3週間の怪我をさせた。
    わざわざ道具があるのに素手で行う神経が理解できない。竹槍でB29を撃墜する昭和の精神論根性論である。21世紀になって、昭和の価値観のままアップデートできない人は哀れである。他人に影響を及ぼす立場にいるならば迷惑かつ有害である。
    この背景にはアウトプットで成果を見るのではなく、苦労して頑張ることに価値を見出す昭和の頑張リズムがあるだろう。余計な制約下で成果を出すことと、余計な制約なしで成果を出すことのどちらが優れているかと言えば後者になる。
    提供する成果の価値としてはどちらも同じであるならば無駄なことをしない分、後者の方が生産性は高いことになる。ところが、昭和の精神論根性論では前者の方が頑張っているとして前者を評価してしまう傾向がある。
    無駄な制約や非効率な制約を押し付けられても、それを乗り越えて通常以上の成果を出すことが優秀ではない。それは単に相手に負担や我慢を押し付ける無能公務員的体質にとって好都合というだけである。それに対応できてしまうことは、むしろ恥ずかしいことになる。そのようなものが評価されるのは忖度公務員の世界だけである。無駄な制約や非効率な制約を押し付けられたら、その分は成果がマイナスになることを認めることが公正である。

  • 社会は化粧をしないと失礼となっているので、校則と卒業後の生活のつながりを考えることもあるが、そもそも化粧をしないと失礼という社会のマナーがおかしいという視点がある。眼鏡をかけている女性芸能人は少ない。専業主婦になりたいという人間を育てるということは、自立性のある人間を育てることに失敗している。

  • 著者の主張に全く同感。

  • 気になっていた本を読みました。

    この本は日本の”体育会系”的な部分をはっきりと示してくれた本です。学校、職場、女性問題などでの体育会系を事細かに説明してくれています。実際作者のサンドラさんや他の海外にルーツを持つ人の考えや起こった出来事も書かれています。

    日本と海外(ヨーロッパ)はこんなに考え方の違いがあるんだ。思わせられるものでした。

    私自身、体育会系の体質で、新卒で就職した先でのあだ名は”春高バレー”でした。声がでかく、短髪で、化粧っ気のないイメージだったんでしょうね。

    この本でと、「女性がラクをすることに厳しい」と言うのを見て度肝を抜かれました。食洗器を導入しない家とか、無痛分娩が許されなかったりとか。なんでなんだろう?と思っていたのですが、「女性がラクすることが許せない」からと分かって眼鏡がずり下がりました。えー!!便利なものはつかおうよ!!クッカーとか、ドラム洗濯機とか、ルンバとか、食洗器とか。今は便利なものたくさんあるのに、どうして購入をためらうのか。という所の理由が「女性がラクをすることに厳しい」からだなんて、あまりにも男性社会過ぎる。

    過去に家電量販店で食洗器やドラム洗を売っていた時、奥さんはすごくにこやかなのに、家電の買い物についてきた配偶者がいまいちハッピーな雰囲気ではないのは「ラクをするのが許せない」から、またそれにお金をかけるのが嫌だからなのかと思うと家電量販店で働いていた時の違和感が納得いくもの。もしこの買い物が配偶者の趣味の物(例えば、オーディオ機器やパソコン)だったならこの表情の違いは夫婦逆になるのだな。と思いました。

    体育会系、私自身もその刷り込みが強く口から体育会系な言葉が出てしまいそうになります。ですが、その意識を変えていきたいと思います。もちろん、体育会系の良い所は交えつつ。

  • 体育会系な日本で生まれ育ったので仕事も体育会系。
    しかし土日出勤当たり前な職場では家族が出来てはやっていけないので最近は土日絶対出勤しないようにしているが、少し罪悪感があった。
    しかしこの本を読んでそれは日本の体育会系思考に冒されてただけと判明した。
    しっかり休みしっかり働いてメリハリつけることが大事。強制的体育会系=ブラックには要注意だが自分を律する時は体育会系もいいのかもしれない、という著者のコメントには納得した。

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著者プロフィール

ドイツ・ミュンヘン出身。日本人の母とドイツ人の父を持ち、日本在住は20年以上。日本人でありドイツ人でもあるという立場から、ハーフ、多文化共生などをテーマに発言や執筆をおこなっている。『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』(中公新書ラクレ)、『体会系 日本を蝕む病』(光文社新書) 『なぜ外国人女性は前髪を作らないのか』(中央公論新社)ほか著書多数。

「2022年 『ほんとうの多様性についての話をしよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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