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感想・レビュー・書評
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「叶わぬ恋の結び方」の続編。とても良かった。とても良かった。
タイトルがちゃんと表しているなぁ。運命の糸が存在しない、だから恋が叶うことはなかったはずの主人公が、踏み出して恋を結んだ前作。ても結んで終わり、じゃない。結んで繋いだ恋は、叶うのか。
前作で想いは交わしたけど、自分に運命の糸が存在しないこと、原さんの糸が別の誰かに繋がる可能性があること。その事実自体は消えてないんですよね。前作以上に切なかったです。恋愛モノっていかに切なくして、いかに幸せにするか、がひとつの醍醐味だと思いますが、見事でした。見事。
誰かともし糸が繋がったらすぐに切って欲しいと言っていた原さん。実際に繋がった時、薫は。という話。原さんの気持ちも解るし、薫の気持ちも解る。運命を勝手に変えてしまっても良いのかという迷いもあるだろうし。ギリギリのところで溢した薫の言葉が、あまりにも辛く、切なかったです。糸が繋がっても。見えない人たちは壊れてるかもしれないし、自然に乗り越えてるかもしれないんだよなぁ。
そして今回も、答えはあるの?と読みながら行き詰まっていた私。原さんはすごいな。でも今回は前作と違って、原さんの助けはあったけど薫はちゃんと自分で顔を上げられたんですよね。と思うと前に進んでるんだなぁ。そして諦める気がない原さんの安心感。いやもうベタ甘激甘すばらしい。
1話目は本編に入る前、話的には前作の幸せいっぱいアフターストーリーみたいな話で、甘々で最高でした。普段は割りとクールビューティー系なのに、酔っ払った甘え方がかわいすぎて原さん同様しぬかと思った。あ、でもここで出た本音が、この1冊の本編に繋がっていました。あれを聞いた原さんは切なかっただろうなぁ。
前作の感想でも書きましたがほんとに表情が良い。表情で感情をここまで描けるというか、その表情で読んでる側の気持ちを揺さぶるのすごいなと思いました。あと絵が好きだー。で、とっても良いから、濡れ場が見たいとかじゃなくて、描かれた絵が白抜きにされてて幸せな場面で台無し感がすごかったです。機械的に無機質な異物が画面に混じってる不快感。電子で買ったので。前巻以上にこの巻は、画面が消されないようになのかアングルとかカット割りでなるべく描かないようにしてありましたけど。これは紙で買いたいな。
最近はついに電子にも手を出したので、また少しずつ読み始めたのですが、ジレンマだなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示