ザリガニの鳴くところ [Kindle]

  • 早川書房
4.21
  • (203)
  • (183)
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  • (12)
  • (3)
本棚登録 : 1931
感想 : 229
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (502ページ)

感想・レビュー・書評

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  • とても読み応えがあった。物語の中で起こる出来事やその流れは、そこまで珍しいプロットという感じではないが、圧倒的な自然描写の中で、孤独に生きる主人公が他者を求め、その過程で傷つくさまも、湿地の生き物のありようの一部のように感じられる。それでいて主人公への共感、応援の気持ちも自然とわいてきてひとつひとつの物語の展開に心が動く。

  • 後半は意表を突く展開の連続にページをめくる手が止まらなかった。そして読後は、興奮満足虚脱がないまぜになりしばし呆然。

    本書は様々な要素で組み立てられているが、それらがひとつの奥深い物語にしっくりまとまっていて非常に読み応えがあった。

    • アンシロさん
      ぱらりさん、はじめまして。

      タイトルの『ザリガニの鳴くところ』、えっ?ザリガニって鳴くの?と幼稚な興味の持ち方ですが笑、多くの方がこちらの...
      ぱらりさん、はじめまして。

      タイトルの『ザリガニの鳴くところ』、えっ?ザリガニって鳴くの?と幼稚な興味の持ち方ですが笑、多くの方がこちらの本を本棚に並べているのでとても興味がある作品です。

      タイトルと綺麗な表紙、どんなストーリーが展開されるのか早く読んでみたいです(^^)いつも本棚やレビュー参考にさせて頂いてます。

      今後ともよろしくお願いします!
      2023/11/06
    • ぱらりさん
      アンシロさん、コメントありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。

      この本は刊行当時、ラジオ番組で推し本として紹介されて読みたい...
      アンシロさん、コメントありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。

      この本は刊行当時、ラジオ番組で推し本として紹介されて読みたいと思っていましたが、まさか3年も温めていたとは(携帯のメモには常に読みたい本がいっぱいで、消化しきれない)。

      アンシロさんは、何を参考に本を選ばれていますか。最近私は、雑誌クロワッサンに掲載されている書評に注目しています。幅広いジャンルから毎回3冊紹介されていて、どれもおもしろそう。いくつか読みましたがハズレなし。選者は瀧井朝世さんという方です(失礼ながら存じ上げません…)。

      ブクログを始めて日が浅いのですが、こうして本好きの方と交流できてるって楽しいですね。
      2023/11/06
    • アンシロさん
      ぱらりさん、こんばんは。

      ラジオ番組や雑誌から読む本を選んでらっしゃるんですね。『雑誌クロワッサン』と聞いてもしや!!と思ったら、Amaz...
      ぱらりさん、こんばんは。

      ラジオ番組や雑誌から読む本を選んでらっしゃるんですね。『雑誌クロワッサン』と聞いてもしや!!と思ったら、Amazon Primeで無料で見れたので早速最新号を(^^)確かに「話題の本、気になる本」のコーナーで3冊紹介されていました。いい事をお聞きしました☆知らない作家さん、作品でとても面白そうですね!

      私は半年前に東野圭吾さんをきっかけに読書を始めて、同時にブクログも始めました。ブクログを頻繁に見ているので、本棚から目を引く表紙と評価が高いもの(☆3.6以上)、レビューと本のジャンルから選んでいます。読むペースに対して、次々と読みたい本が湧いてくるのでパンク状態 笑。ぱらりさんの携帯のメモと同じですね。

      感想を読んでコメントをつけさせて頂いたり、談話室でおすすめを投稿したりとブクログでの交流を楽しんでいます(*^^*)
      2023/11/07
  • ミステリ小説のつもりで読み始めたので思っていた作品の雰囲気とは少し異なっていたが、それはそれとして面白く読めたので良かった。
    作品の内容的にも文章量的にも個人的にはかなり重めだった。
    作品全体を通して自然に関する細かい描写が印象的だったが作者がその筋の学者の方と知り納得。
    主人公が遺した詩によって犯人がわかるというのが面白い。テイトがそれを燃やすのも含めて良い終わり方だと感じた。

  • 映画を先に観るか、小説原作を先に読むか問題に直面した経験がある人は多いと思うのですが、この作品に関しては、絶対に小説から先に読むことをお勧めしたいです。

    「地元の人気者」の死体が発見されて一人の女性に殺人の疑惑がかけられた現代から始まり、その事件の10年以上前と現代を行き来していく構成が見事で、この月日の間隔が次第に短くなっていくにつれて、事件の真相に近づいて行ってることを肌で感じるので、後半になればなるほど読む手を止められなくなる構成になってます。

    この構成は小説ならではと思うし、「文章」や「詩」という、映画で表現すると間延びで冗長になってしまうキーワードを自然と描写できるのは「小説」という形態ならではと思い、こちらの要素を割とバッサリ切り捨てた映画版は、小説とは異なる方法で作品の魅力を伝えようとしたんだな、と感じます。

    文句のつけようがない、引き込まれる作品だったのですが惜しむらくは、ミステリー小説終盤に見られる「衝撃的事実」が明かされる直前にワンクッションとして用意された「その事実を予感される前振り」を見逃してしまった点ですかね…。

    名作のクライマックスは決して、閉店間際のカフェや目的地間近の電車内のような、時間を気にする場所で読んではいけないと学びました…。

  • 評価4.2
    audible 16時間52分
    kindle 502ページ

    貧しい暮らしの6歳の女の子がお母さんに出ていかれる。読むに絶えない立ち上がりで、もうやめたい。しばらくはカイヤの幼小児期と事件が起きた時期の2系列で話しが進む。いずれ事件に巻き込まれるのだろうが幼小児期の話しは胸が痛く、むしろ早く事件に巻き込まれてほしい。
    次第に年を重ねテイトやチェイスなど彼氏らしい存在が出来て少し読みやすくなる。幸運なことにきれいに育って良かった、これが不細工だったらと不謹慎ながらおそろしい。カイヤは湿地での生活を続けているが湿地から出るための方向性を取るべきなはずなのが歯がゆい。このような意味では教育をしてくれたテイトは唯一の存在であったはず。
     意味ありげな赤い帽子が怖い。テイトはカイヤを救い出す唯一の存在であり、テイトが真犯人ではハッピーエンドにはなり得ない。面会に来てるのも分からないし、傍聴時に気づくはず。2人が共犯はありえないとは思うが。
     裁判は意外な程に公平で、弁護人も優れもの。結末はどうなるのだろうか? 
     裁判後の長い年月、AHの詩は意表をつかれた。真犯人はある程度予想はついたが、テイトは流石に気づくのではないだろうか?何はともあれ最後まで幸せだったのは素直に嬉しい。この終わり方がベストかな。いろいろ心配したけど後味は良い。
     テイトが赤い帽子に気づかないのがちょっと無理があること、チェイスが意外と付き合っているときは紳士的でもあったこと(最後はともかくとして)、全てがテイトに依存していること(テイトがいなければ人生ボロボロ)などがちょっとした減点ポイント。終わり方は繰り返すが秀逸。

  • Audibleで読了。

    文句なく素晴らしいストーリー。
    私的に2022に読んだ最高傑作。
    主人公の幼い頃からの成長物語と、一見何の関係性もないと思われる現在進行形の捜査。その2つがじわりじわり撚り合って一本のロープになるように絡みあいつつ、最後はブツって切られて落ちる。痛快さが後に残りました。
    生物学の知識にくるまれた性描写もドライでいい味。

    物語中、老練の弁護士が陪審員の白人たちに向かって訴えかける最終弁論には涙さえ浮かびました。

  • 本屋大賞も取ったヒット作。
    舞台はアメリカの東海岸。はみ出しものが集まる”湿地”で家族にも見捨てられた”湿地の少女”カイアが成長する物語と、カイアが大人の女性として成長したころ、湿地で一人の男が遺体で発見され事件性が疑われるミステリーの2つが交互に描写される。

    まずカイアの成長物語。まったくもってハートフルではなく、DVだらけの酷い父親と、母親や歳上の兄弟が次々と出ていく。学校も一日でいかなくなり、字の読み書きや29以上の数字を数えることもできない。最後は父親までも出て行き、彼女は幼くして厳しい自然の中で、自らボートを操縦し、カキを取って生計を立てていくことになる。彼女を助けたのは近隣に住み兄の友人だったテイト。文字を知り、生物学を知り、周囲の環境への理解を深めていく。そして、”奇怪な交尾競争以上”の人間関係をも知る。

    もう一つの時間軸では、村で裕福な家に生まれた若き青年、チェイス・アンドリュースの死体が発見される。周囲には足跡も、指紋もない。
    カイアと好色な彼には歪な因縁があった。そしてカイアに殺人の疑いが向けられていく。


    残酷な湿地のルールの中で生きるカイアの人生は全体的に重苦しい。カイアの数少ない理解者であり援護者であるジャンピンとその妻メイベルも、彼ら自身黒人として差別も受ける立場。
    その中でテイトが彼女に光をもたらす。幼いカイアが学問に触れ、どんどん解像度を高めていく姿は、読者も彼女の成長を応援し、見守っている気分。成人したテイトの葛藤もよくわかり、カイアの孤独もあまりに苦しい。二人が徐々に希望を見出す姿には救われる。
    重苦しい裁判のシーン、ラストは予想外で、意表をつかれました。

    実際にある程度の年齢まで学問に一切触れずに育った場合、カイアのような高度な専門知識を身につけることができるのか?は大いに疑問。記憶はできるかもしれませんが、体系的な理解に繋がるのだろうか?専門書読んでも、いきなり頭に入るのか?カイアは天才少女であった、ということでしょうかね。

    作者のディーリア・オーウェンズは動物行動学の博士で、カラハリ砂漠で長い期間滞在した研究で有名な方とのこと。
    湿地の自然環境の優れた描写やカイアが動物行動学を念頭に他者や自分自身の行動を分析する場面は、専門的な深い洞察ゆえなんでしょうかね、説得力を感じました。
    ちなみに米国では映画版が上映されているとのこと。ぜひ日本でも公開してほしい。暗く、静かな話ですが現代の映像技術でこそ、見てみたい作品です。

  • 作者の人間、動物、植物への愛が溢れすぎて、なんでもない箇所で涙してしまった。
    孤独を一度でも感じたことのある人なら、読んでいて主人公の少女を応援したくなるはず。応援どころか私の場合は、もう主人公の少女を生きていた。そう!生きるって偉大なことなんだなと、この本に教えられた気がしている。私ひとりが存在するまでに、かなりの数の先祖や人が関わっている訳で。それを無駄にしてはいけない、という気持ちが溢れた。
    生きるだけでもすごいこと。とにかく一所懸命に生きる。それだけでも充分な気がした。
    そして、衝撃のラスト!
    作者はこの本が小説家としてのデビュー作というが、すごい才能!
    サスペンス性がありながら、愛と野生に満ちた他に類をみない物語だった。

  • 心が動かされた

  • 今年ベストかもしれない!
    予想できないラスト

    読み終わると ほら 静かな暮らしにあこがれる

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