清少納言と申します（１） (BE・LOVEコミックス) [Kindle]

著者 : ＰＥＡＣＨ－ＰＩＴ

• 講談社 (2020年3月13日発売)

感想・レビュー・書評

[Pipo＠ひねもす縁側さんの感想 · 2023年7月25日]

来年の大河ドラマでは紫式部を中心に、藤原北家が牛耳る宮中が題材となると聞いて……というわけではないけれど、古典に題材をとった物語を読みたいと思っている矢先に偶然手に取った。

貴族の実直な青年、橘則光の姉という設定の女性、橘光子を語り手に、弟が突然連れて来たイケイケの妻イコール清原元輔女、のちの清少納言（本作では、一説に本名と言われる「なぎ子」呼び）との日常が語られる。なぎ子はある秘密を抱えているのだが、それを補って余りある文才と感性の持ち主で、両親亡きあと則光の身の回りを世話するうちに婚期を逃しつつあり、すっかり橘家の主婦ポジションプラス残りの人生諦めモードの光子は、彼女の破天荒さに日々振り回されっぱなし。しかも、なぎ子がイケメン引き寄せ体質なこともあり、それまで静かだった橘家の周りにイケメンが続々と生えてくるようになったので、なんとも落ち着かない光子が大変そうだが、結構逆ハーレムだからな、それ。とにかく出てくる平安男子がみんなハズレなしのイケメンなので、直衣・狩衣男子がお好きな人は読まないと損をする。なぎ子の側近、夏夜と冬朝も静かながら物騒でパンチが効いている。

内容に関しては、『枕草紙』の有名なフレーズや場面、清少納言の人間関係を上手く分解して各所に散らし、現代のポップカルチャーに合わせることで理解しやすく加工し、ギャル語／ギャル男語／ホスト語／J-POPワードでコーティングしつつ、和歌で決めるのも忘れずに生き生きと登場人物を動かすテクニックはすごくて面白い。これは作者のPEACH-PITが製作ユニットだからこそできる技で、1人でやっていたら1巻もたずに疲弊して破綻してしまうと思った。

また、物語を回す役割を与えられた架空の人物ながら、もともと聡明で、地味に魅力ポイントも高い（美髪＆美肌）光子が、すべてを明日へのエネルギーに変換してしまうなぎ子＆彼女に圧倒されながらも付き合うのは嫌じゃない則光のフォローをしつつどたばたしているうちに、生きる張りあいを見つけて進んでいくというお話でもあると思う。

現在は単行本で7巻まで発売されており、それぞれに「おおっ、こう話をつなげてくるか」という驚きもあって楽しめる。ただ、後になぎ子が仕えることになる中宮定子がどういう道をたどるかということを知ってしまっている読み手（の大半がそうだと思うし、連載が順調な限りは以後描かれていくはず）としては、流れ星が一番輝く瞬間を見ているような気もして、ちょっとしんみりしてしまいそうになるのも正直なところです。

[きりゅさんの感想 · 2023年3月22日]

2021/10/16購入・2023/03/24読了。

清少納言がもし男だったらのif。平安時代だけど話している言葉は令和アレンジが加えられている感じ。だけれど文化は平安時代なのでいとおかし。話の展開が結構混み合っているので頭使いながら読む感じ。

[SnowyYukiさんの感想 · 2020年3月18日]

前代未聞な突拍子もない清少納言の物語。まださわりという感じで，どんな物語が始まるのか検討もつかない。ローゼンメイデンのPEACH-PIT著作なので続きを期待。

著者プロフィール

代表作は『しゅごキャラ！』（講談社）・『ローゼンメイデン』（集英社）・『清少納言と申します』（講談社）など。

「2021年 『しゅごキャラ！　新装版（6）』 で使われていた紹介文から引用しています。」