経済は感情で動く――はじめての行動経済学 [Kindle]

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  • 【 #書籍紹介 】#BizHack
    #行動経済学 の本です。

    訳がちょっと?で、読むのに少し時間がかりますが、
    読み込むと知識もしっかりつきます。

    「非合理的な判断を数多くするのが人なんだ」
    が良くわかるので、日常の判断、決定にも役に立ちます!

    #経済は感情で動く
    https://amzn.to/3jrCFUB

    2020/12/13

  • 錯視。
    同じ色なのに、違って見える。
    同じ長さなのに、違って見える。
    不可避的で、不思議な知覚の錯覚。

    同様に、人には認知の錯覚がある。


    「部下(生徒)を褒めて伸ばすだなんてとんでもない!
    あいつら、ちょっと褒めればつけあがって失敗するし、
    ガツンと叱り飛ばしてやれば反省して成長するんですよ!」

    「事実としてね、いつも60点の奴がいるとするでしょ。
    こいつが90点取ったからって褒めたらどうなると思います?
    すぐ60点に逆戻りですよ。
    逆に、30点のときは、どやしつけてやれば反省して60点に持ち直すんですよ。」

    「つまりね、事実として叱り飛ばす方が成果を出すし、奴らも成長できるんですよ。
    罰に力をいれることがマネジメント(教育)では重要なんです!」


    確かに。
    実力以上の結果を褒めると、その次の成績は下落する可能性が高い。
    実力以下の結果に対して罰を与えると、次は改善する可能性が高い。


    だが、実はこの結果は賞罰とは関係がない。
    いわゆる『平均への回帰(phenomenon of regression to mean)』と呼ばれるものだ。

    つまり、実力が60点であろうとも、常に60点ジャストではなく、
    実力以上(90点)や実力以下(30点)の結果がでることはある。
    しかし、長期的に見れば、結果の平均値は実力(60点)へと収束していく。

    ゆえに実力以下(30点)の次には点数が上がる可能性が高い。
    同様に、実力以上(90点)の次は点数が下がる可能性が高い。
    突出した結果の次であれば尚更である。


    さらに、もう1例。

    アメリカの高校生100万人を対象にした調査では、
    自分のリーダーシップ能力が平均以上と思う生徒が約70万人(70%)だそうだ。
    平均以下と答えた生徒に至っては、たった2%だという。

    生徒はまだ未熟で、自分や世界のことがまだよくわかっていないからだろうか?
    というわけで、教師の方に聞いてみたところ
    自分は平均より仕事を立派にこなしているという人が94%に達したとか。

    日々、私たちも似たような認識の錯覚をしているはず。。。(笑)


    人は、このような認知上の錯覚によくおそわれる。
    選好の逆転、時間選好、保有効果、アンカリング効果、現状維持バイアス、コンコルドの誤謬、勝者の呪い、利用可能性バイアス、少数の法則、後知恵バイアス、事前確率の無視、フレーミング、損失回避、後悔の回避、省略の誤り、確実性効果、支配の錯覚、、、枚挙に遑がない。

    直感や感情は、人類が得た素晴らしい恵みであるが、いたるところに罠と限界も横たわっている。
    結論があまりに瞬時かつ強い確信を持って得られるため、
    理性的でより精巧な結論に対し、強い抵抗や嫌悪感を覚える
    (一理あると思えど、身体は「そうじゃない!」と熱く叫んで抵抗する)ほどだ。

    Economia Emotiva(感情的な経済)とは、つまり、そういうことなのだろう。

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