転生したらスライムだった件(14) (シリウスコミックス) [Kindle]

著者 :
制作 : 川上泰樹  みっつばー 
  • 講談社
4.23
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本棚登録 : 218
感想 : 2
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感想・レビュー・書評

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  • 平成時代に誕生した、「若者の精神文化」を象徴する「物語」をひとつ挙げるとすれば、それは「異世界転生」ものらしい。昨年、講談社はこのマンガひとつで増収増益になったらしい。「十二国シリーズ」は、その魁(さきがけ)らしいのだが、「転生」ものの代表作はコレだと一部で聞いた。マンガの方がわかりやすいと思い、現在まで刊行している14巻目までを一気読みした。

    小説版はもう少し展開が進んでいるようだが、わかりやすいマンガ版を読んだ。世界観だけならば、これ以上の世界観の開陳はないように思われるので、これ以上は書評しないことにする。魔法、ドワーフ族、ゴブリン族、エルフ族など「指輪物語(元を質せば北欧伝説)」の設定が多く出てくる。普通の社会人が異世界転生して、常人以上の「スキル(能力)」を獲得して、「世界を変える物語」である。そこには新しい世界観はない。主人公は魔界族も人間も共存できる平和な世界を望みながらも、戦争をせざるを得ない。これは現実世界の反映であり、現代の世界観を転用しているだけだ。現代世界を解釈し直す「回答」ではない。

    主人公は、そもそもそんなに現代世界でいじめにあっていたとか、不幸だったわけではないのだが、ともかく異世界転生したらとんでもない能力を身につけて仕舞う。ひとえに、ゲーム世界の反映だろう。スキル獲得の過程や、地図も用意した各国のお国事情や、豊富なキャラ登場に依拠した物語世界の構築で、一応、まるで奥深くにまだ開陳されていない「真実」があるかのように錯覚させられているだけだ、と私は思う。錯覚によって(魅力的なキャラ設定によって)人気が出たとしか思えない。(←もちろん、キャラで人気が出るのを否定するわけではない。問題は、講談社のような巨大な企業を潤すほどの人気が出ているということなのだ)

    ゴブリン、鬼人、魔神、獣人、人間たちとの共存世界は、人種の坩堝たる西欧社会では夢物語でリアルさがない。日本では許されるのだろう。単純な戦争経緯も解決も、そして主人公が仲間を蘇生させるために2万人の兵士を犠牲ににすることも、ファンタジーだから、ということで許されるのだろう。

    これでゲーム世代が、この現実逃避しているのだと言われても仕方ないような作品で、何かを学んでいるのだとしたら、昭和世代としては、とても心配になる。

    • 伏竜さん
      返信不要です
      私が言ったのは例えであり、私が訴えるとは一言も書いていません。作者が訴えれば別ですが。
      浦島太郎の例は理解していただけず残念で...
      返信不要です
      私が言ったのは例えであり、私が訴えるとは一言も書いていません。作者が訴えれば別ですが。
      浦島太郎の例は理解していただけず残念です。
      評価についてはコメントについて言及しているもので、星評価については一言も言っていません。
      全く理解していただけないようなので繰り返しになりますがこれ以上は返信は不要です。
      2023/10/06
    • kuma0504さん
      私も理解いただけず、全く残念です。
      私も理解いただけず、全く残念です。
      2023/10/06
    • 伏竜さん
      「返信不要です」と書いたにも関わらず、その日本語も理解出来ないようでは、この作品も理解出来ないのも止む無しと言ったところでしょうか

      改めて...
      「返信不要です」と書いたにも関わらず、その日本語も理解出来ないようでは、この作品も理解出来ないのも止む無しと言ったところでしょうか

      改めて“このコメントへの返信は不要”です
      2023/10/06
  • リムルの久しぶりな無双モードが、カッコよかった巻でした。人間の醜さがとくによく描かれており、人間すべてが良いわけではないとリムルへの決意を促すアツイシナリオだったので、あっという間に読み終えました。次が待ち遠しいです。

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著者プロフィール

小説家。

「2022年 『転生したらスライムだった件 異聞 ~魔国暮らしのトリニティ~(7)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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