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感想・レビュー・書評
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転職が珍しくなくて、同業だけでなく異業種への転職が、歳がいくつであっても叶う社会があった。人生100年時代にふさわしいし、社会はこうであるべきだと思う。
何歳になっても大丈夫、やりなおせる、という安心感が、生きる希望を与えてくれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「フィンランドを持ちあげすぎ」という声が上がりそうだが、良いところだけ自分や集団に取り入れるというだけでも意味があることだと思います。
特に、サウナ好き、コーヒー好きの私にはフィンランドの人間関係構築のためにその二つを活用しているのは憧れる。ぜひ、その文化を広めたい。
また、第4章の「休み方10箇条」はとても参考になった -
・日本は人生の選択の自由度(64位)、社会的寛容さ(92位)という部分で順位を下げている。フィンランドは選択肢が多くあるというよりも、選択を限定する要素が少ない
・企業レベルの努力というより、国や社会全体の常識
・最大の能力が発揮できるよう、気持ちの良い環境を作り、組織を改善していくことの全てが大切にされている
・相手に選択を与え、自由な時間と空間を与えることが最高のおもてなし -
・タウコユンパ(エクササイズ休憩)
これはぜひ取り入れたい。
・カハヴィタウコ(コーヒー休暇)
仕事中にこの時間を設けることがフィンランドでは法律化されている。
・仕事の日のランチはそこまで重要ではない。
食べない人もいるぐらいで、それより早く帰ることの方が大事らしい。
・日本のように新卒採用というシステムはなく転職は当たり前。何歳でもやり直せる。
・フィンランド人は貪欲である。年齢関係なく学びに積極的である。社会人向けの講座なども充実しており、安価で受講できるなど学ぶ環境が整っている。
・自発的に行動することが大切。
・年齢、性別、学歴を重視しない社会。
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コロナを経て日本も紹介されているような多くのことを取り入れているけれど、まだ変える余地がありそうなのは以下と読み取った。
・会議の考え方:目的を明確にして、ちゃんとイベントとして実施する。最終到達点は何か、そのための参加者及びファシリテーターの事前準備が必須。日本は安易に会議をしすぎなのかも。
・計画の柔軟性:日本全体というよりは企業によるのかもしれないが、アジャイルに進めるとかプロトタイプで走るとかはまだまだ日本には浸透が薄そう。
・プライベートをより重視:社内外の交流も就業時間外にはみ出さない。交流自体に否定的なのではなく、とにかくプライベート時間の確保が大前提。
加えて、日本のような新卒採用のシステムはなく、転職やインターンなど職場の人材の流動性が高いことを上手く活用している。育休には人が充てられ、充てられた人は正規雇用へのアピールチャンスとなるなど。ここは今の日本の流れとはまだ大きく乖離があるし、日本の今の雇用の良さもあるので埋まらないと思う。
だとすると、果たしてどのように改善していくべきなのか… -
失業が当たり前を前提に、年齢や性別に関係なく新しい学びの機会を社会全体で推進しているのはとても良い事だと思う。ヘルシンキ大学のAI講座、まだやってるなら受講したい。
日本も学び直しの機運は出ており、過去からもハローワークに行くと色々な技能習得の機会を提供しているらしいが、その間の生活に追われる人だらけの現実ではないかと思う。
何を幸福と感じるか、人それぞれかとは思うが、私は自分が大切と思う人達と過ごせる時間が充分にあれば幸福感がもっと高くなるような気がする。 -
タイトル通り、ワークライフバランスに対する感覚が日本人と随分違う様子のフィンランドを、働き方、休み方、学び方、精神性などの切り口で紹介する一冊です。
私はフィンランドどころかヨーロッパに行ったこともない為、正直、遠い国の文化の違いを、へぇーって感じで読むしかないのですが、単純に、性別、学歴、役職なんかの立場の違いが、キャリアにおいてそれほどのハンディキャップにならない社会は羨ましい。
フィンランド在住経験の長い筆者が、要点を簡潔にまとめてあるので、お手軽に読める。その反面、タイトルの「なぜフィンランド人は午後4時に仕事が終わるのか」という問いに対しては、「休む時間を確保して自分を大切にすること」、また、そうした考えが社会全体に定着していて、「誰かが仕事で穴を明けてもチームで補完することが当たり前になっている」といった、「やっぱりそうだよね」的な紹介に留まっていて、働きすぎの日本社会に対するアンチテーゼが背景にあるのかもしれないけれど、新鮮な発見があるわけではない印象。
そんな中で、実は印象に残ったのがフィンランド人の案外寡黙で、人と人のパーソナルスペースも広くとって…といった、「付かず離れず」の国民性の話。「幸福度ランキング6年連続1位」と言われても、「俺らにしちゃあたりまえの生活しているだけで、勝手に幸福度ランキング1位言われても困ります」的な、少し冷静な視点も逆に好感がもてたり。欧米人はみんなパーティーピープルという訳では無い(当たり前)ということを、再確認できた点で読んで良かったのかもしれない。 -
サウナに行きたくなった。ヘルシンキ大学のAI講座。プログラミングの勉強。
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自分のいる業界は長時間の残業が常態化していて、同僚たちもそれを当たり前と受け入れている。そんな中定時退勤を目指す自分にとって、学びがあればと思って読んでみた。
読んだ結論として、タイトルの「なぜ午後4時に仕事が終わるのか」という問いへの答えは、「定時退勤を目指す人が多い文化だから」になると思う。
どうしたら早く仕事が終わるか、という具体的な方法を知りたい人や、仕事を効率化するための引き出しを増やしたいという人にはあまり向いておらず、逆にフィンランドという国に関心があり、文化を知りたいという人は面白く読めると思う。
筆者も前書きで述べているように、何かのヒントになるかな、というくらいの気持ちで読むのが良い。
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福祉国家のイメージが強い国ですが、国民がそれに甘えず、自立した考え方を持っていることが幸福の秘訣だと感じました。
前半部分を読んで、うらやましく感じる部分が多かったですが、自由が多い分、自分の能力を高める努力を惜しまず、学び続ける姿勢や、効率よく仕事を終わらせるための努力をしているなど、自ら働きやすい社会環境を勝ち取っているという印象です。
幸福度ランキングは、次の6指標で評価します。
1.一人あたりGDP
2.社会的支援
3.健康寿命
4.人生の自由度
5.社会的寛容さ
6.国への信頼度
日本について考えると、
2019年の調査で日本は58位ですが、4.人生の選択の自由度(64位)、5.社会的寛容さ(92位)の項目で低順位が目立ちます。
これらについて個人的には納得できる気がします。働き方としてはサラリーマンとして働くことが正しいとする風潮が強すぎる気がします。良い大学を出て、大きな会社に入り、定年まで勤める。
ライフスタイルでいえば、結婚して車や家を買い、子供を育てるという昭和のモデルが強すぎ、起業や転職を良しとしないため、チャレンジする人が少ない。
女性の仕事の選択肢が少ないこともマイナスに働いていることは間違いないでしょう。
世界的にこれらの変化が進んでいる中で、日本もゆっくりとではありますが変革が進められています。しかし、世界的に見れば取り残されている印象は否めません。
変化が加速してくれることを望みつつ、自分にできる部分については、自ら変えていく努力をすべきだと思いました。