野蛮の言説 差別と排除の精神史 春陽堂ライブラリー [Kindle]

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  • サラ・バートマン(サーチェ・バールトマン)ヨーロッパで見世物にされ、アル中になり、死んで解剖され、さらに標本にされたホッテントットの女性121

    「顔面角理論」額の角度で猿、黒人、白人が描き分けられるという19世紀の理論125

    ダーウィンの進化論と社会ダーウィニズムを理論的に切り離して考えることは出来ない171

    進化論は「野蛮の言説」を必然的に含みこむ理論展望173

    19世紀アフリカ植民地化を進めて「アフリカの野蛮」を発見したヨーロッパ人は、その後ナチスドイツなどを産み出し、戦後アーレントの論などでこの蛮行を「ヨーロッパのアフリカ化」と批判した。しかしその考え自体が野蛮であり、実際には植民地政策を産み出したヨーロッパそのものが招いた野蛮であるーエメ・ゼゼール198

    「アウシュヴィッツ以後、詩を書くことは野蛮である」アドルノ=戦後ナチスを「例外的に起こった悪」として蓋をして文化・芸術が物質的「商品化」したことを指して242

    優生思想の根拠は進化論にある。「野蛮の言説」は科学的知のなかに最初から組み込まれていた313

    本当の問題は、社会における差別される側にあるのではなく、差別を許容する多数派の価値観それ自体にある316

    学歴社会が当然視される日本人は、「知性の能力主義が当然である」という価値基準をおのずと身に付けている320

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著者プロフィール

中村 隆之(なかむら たかゆき)
早稲田大学法学学術院教員。フランス語を中心とする環大西洋文化研究。著作に『カリブ-世界論』、『環大西洋政治詩学』(以上,人文書院)、『エドゥアール・グリッサン』(岩波書店)、『野蛮の言説』(春陽堂書店)など。訳書にル・クレジオ『氷山へ』(水声社)、『ダヴィッド・ジョップ詩集』(夜光社)などがある。

「2024年 『マニフェスト 政治の詩学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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