泣くな研修医 (幻冬舎文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 研修医の先生が

    全員 雨野先生のように

    真面目で愚直ではないと思いますが

    少なくとも 人を救いたいという気持ちで

    その職に就かれたわけで

    それが 役に立たない状態は

    こんなに苦しいものですよね
    しかし医療現場で

    弱音を吐くことは許されない

    タイトル通り 泣きそうな雨野君

    読んでるこっちも いたたまれない
    頑張れ!

  • 「医者の本音」を読んで、こちらも読んでみようと思いました。
    ドラマもあるそうですね。観ていません。

    さて、ブログにありますが、医者という世界は既得権益に守られています。守られているのに、そこに風穴を開けるようなことをするとバッシングがあるわけですね。それも強烈な。

    ↑ これは「医者の本音」のほうです。

    +++

    熱い志を感じます。
    医師にしか許されていない診断行為、最後の医療行為のシーンは目頭が熱くなります。
    5歳の男の子、頑張りました。
    純真無垢ってこんな感じなのでしょう。
    家族っていいな(←読んだ人はどのシーンなのか、わかると思います)。
    先生、いいお仕事してますね。

  • 良く借りられている作品であり 手に取れば解説はヤンデル先生ではないか!という経緯で読んでみた。

    こういう "現役医師による小説” ってどういう経緯で 世に出るのだろう?
    もちろん医療啓発系のモノや 海堂さんみたいに最初は応募というのは解りやすいのだけれども、この中山さん 最初から小説が書きたかったわけじゃなさそうな雰囲気だしなぁ..(書きたかったならごめんなさい)

    正直 タイトルからして内容が想像できる作品ではある。
    コードブルーの有岡くんとか コウノドリの松岡茉優ちゃんである。右も左もわからぬ新任研修医が ひたすら空気と先輩の顔色に気を使いながらも一人前になりたい!とがんばる話である。

    医師とは呆れるほど尊大でカネ持ってる存在として鼻につく人物も少なからずいる。
    だが、 ほとんどの職業でそうであるように 医師もまた目の前のことに愚直に誠意を持って取り組み続ける人の方がマジョリティである。

    てなことを訴えがちなのが医療ドラマなんだけれども
    本書の研修医 天野隆治は それに加えて まだコッチ側ーーー 患者としての一般人の側に重心があるように思える。
    真面目に勉強し 真面目に現場仕事に取り組み 真面目に医療者として成長すべく奮闘しているが メンタリティがまだ医療を外側から眺める者のそれである。

    たぶん そこが この作品の魅力なのでしょう。

    医療者ではない一般人として 医療者の判断・思考に触れることは 世界に誇る日本の医療システムの維持のために必要になってきつつあろう。
    それは ”お医者さんが 十分に理解してくれている”という信頼がなければ ただの不安になってしまう。

    そこを繋ぎたい という意思を 天野隆治 が代言しているのかもしれない。

  • 過酷な研修医の実態。
    しかし、彼は単に患者というだけでなく、人間として向き合っていく。
    サラリーマンの新入社員と研修医。
    同じ新人なんだけど、大きく違う。
    それは失敗が許されない医療の現場にいるからなのか。
    業後に合コンに行ったために患者の変異に気づかなかったくだり。
    研修医とはいえ人間。
    仕事を離れたプライベートな時間も存在しないのだろうか。

  • 先日生まれて初めての手術と入院を経験しました。
    その時に日頃の自分の労働と医療従事者の方達の尊い働き方の違いに感動し、医療従事者の方達の気持ちが少しでも知りたくて本書を手に取りました。

    主人公の気持ちが素直に共感できるし、先輩の女性医師の佐藤さん、リアリストに見える岩井医師、看護師の吉川さん、皆さん本当に素敵です。

    手術の時に覆布(おいふ)をかけると、患者の人格が見えなくなって良いという現場を知っている作者ならではの感想だと思い、自分の執刀医もそうだったらいいなと思いました。

    これまでは病気の話を読んだら病気になりそうという謎の思い込みを持っていたので、病院や病気に関する知識は家族にも呆れられるほどなかったのですが自分が病気をすると変わるのですね。
    また次巻以降も読みたいと思いました。

  • 医療系小説(勝手に名付けた)で、優れた書き手さんがいた!知らなかったぁ(今さらながら)。

    主人公の、若さゆえの自身への無力感にもだえ苦しむ描写が秀逸。

    本業のお医者さんならではのリアリティは申し分なし(だと思う)。
    すこし以前に、入院してアタマの手術なんかを受けたりしたので、手術前の説明やら手術室やらICUやらの描写がとても真実味があって(当たり前か)いちいち感じ入りました。

    本業での経験値(しかもかなりの)と卓越した筆力を兼ね備えた書き手さんは、ホントに稀有な存在だと思う。
    御贔屓作家さんがまた増えてしまった。
    続編もあるらしく、楽しみだ。

  • 大学を出たばかり、1年目の研修医、雨野隆治のお話。とても良かった。わからないことばかりの中で頑張る姿にはリアリティーを感じられる。担当の患者さんを亡くす無力感、5歳の子が回復した時の喜び、隆治と一緒に感情が動くのを感じた。こんな大変なこと自分にはとてもできないけれど、読んでいて勇気づけられる。私は私で頑張ろうという気になれる気がした。この後の続編もあるらしいので、読んでみようかなぁ。

  • 医者を疑似体験しているような、身近に感じる作品だった。

  • (2022/398)現役医師の描く医療モノは現場医師のリアルさが凄い。主人公の隆治は大学出たての研修医一年生。外科医になるべく病院に泊まり込みながらの日々を送る。自分の無力さに悔し涙を流し、目の前の死に涙を流し、患者の回復にも嬉し涙を流す。上司にあたる岩井医師もぶっきらぼうながら熱い。指導医の佐藤医師もクールビューティー。命のドラマで緊迫の場面と重い台詞が続き、読み手の僕にも緊張が走る。いい小説だ。シリーズ積んでるので読んでいこう。

  • その昔、家族を失ってしまったことがきっかけで医師を目指す雨野。
    研修医は、医師免許を持ちながらも、まだ半人前以下。
    分からないことだらけで、命と向き合い、自分のできる、するべき医療と現実に葛藤する姿が、まさしく「研修医あるある」だな、と思う。
    自分の知識と技術力、判断力の未熟さに、泣き、また、患者の死に泣き、患者の生命力の強さに涙する。患者とのやり取りの返答に困り、逃げるように病室を去ってしまうことも、雨野の未熟さを語っている。
    逃げるな、雨野。

    泣いてばかりではこの仕事は勤まらないけれど、患者一人一人に寄り添う姿は見えてくる。
    この職業は、時には割り切るしかないこともあるだろうが、一つ一つの事例に疑問を持ち、葛藤し、自分の医師としての進むべく道を探っている雨野はきっと良い医者になるだろう。


    このシリーズでは、少しずつ時を経て成長していく雨野の姿がみられるのだろうか。良い方向に向かう姿を、今後も見守りたい。

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著者プロフィール

1980年神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒。現在は湘南東部総合病院外科勤務。著書に『泣くな研修医』シリーズなどがある。最新作は『やめるな外科医 泣くな研修医4』(幻冬舎文庫) 。

「2022年 『ココロギミック 異人と同人3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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