警察官をクビになった話 [Kindle]

著者 :
  • 河出書房新社
4.00
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 4
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ハルオサン『警察官をクビになった話』は警察学校で壮絶なイジメやパワハラを受けた実体験を描く漫画である。入校直後から教官から辞めるよう圧力をかけられ、執拗な嫌がらせを受けた。民間感覚と警察組織の間にはマリアナ海溝よりも深い溝がある。

    多くの人が本書を読み、警察組織の腐敗と情報公開の必要性を感じるだろう。この警察学校の仕組みはブラック企業と同じである(「大量採用・大量退職の警察学校 典型的なブラック企業の特徴」NEWSポストセブン2014年12月12日)。新人が辞めることを見越して大量に採用し、過酷な業務に耐えられない者をドロップアウトさせる。

    警察学校生の警察不祥事も起きている。和歌山県警巡査は2018年9月9日、大阪メトロ日本橋駅の階段で女性のスカートを盗撮し、盗撮を注意した人に怪我を負わせた(「駅で盗撮の巡査、注意された男性に路上で馬乗り」読売新聞2018年9月22日)。巡査は2018年4月に県警察学校に入校し、10月1日に配属予定だった。

    京都府警警察学校初任科生の巡査(23)は大麻を所持し、警察学校で同期の腕時計を盗んだ。京都地裁(片多康裁判官)は2019年10月9日、懲役2年、執行猶予3年と大麻草2袋の没収(求刑・懲役2年と大麻草2袋の没収)の判決を言い渡した。

    警察学校生の警察不祥事に接すると、警察官の採用をどうしているのかと批判したくなる。警察官の薬物犯罪では警察官になる前から薬物を使用しており、採用時のフィルタリングは重要である、実際、大麻所持の京都府警巡査は学生時代から大麻の常習者と報道される(「五輪目指すも大麻所持で逮捕 “元柔道王者”巡査の転落人生」日刊ゲンダイ2019年7月11日)。一方で『警察官をクビになった話』を読むと、採用時のフィルタリングの問題だけでなく、警察組織の中で不祥事を起こすような人間になったという要素もあるだろう。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

18歳で警察官をクビになり、営業や特殊清掃、日雇い仕事などを転々とする。2017年、初めて描いた漫画『警察官をクビになった話』をWEBで発表。1日200万PVを記録するなど、大きな話題となった。

「2020年 『警察官をクビになった話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ハルオサンの作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×