- Amazon.co.jp ・雑誌 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 4910159230707
感想・レビュー・書評
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え、えぇー、これって可愛らしいネズミの写真集……?
街のネズミ ー 月刊たくさんのふしぎ
2020年07月号。字の大きさは…大。
今月号の特集は、街に住むネズミです。
私は、もうずいぶん鼠を見ていません、もしかすると数十年かも?しれません。この本を手に取ったきっかけは、こんな事ではないかと思います。好奇心か、それとも写っている鼠が可愛くてかもしれません。困ったことに、何か、害獣という気がしないのです。
ページを開けると、可愛らしい鼠が、東京銀座の大通り。人々が行きかう歩道沿い、街路樹が植わっている土の表面に10センチほどの穴が開いています。そこから顔お出しています。この穴の周囲を見ると小さな影が動いています。
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鼠は世界中に生息し、その種類は、おおよそ千数百にのぼります。そのうち人間の生活環境のそばにいるものをイエネズミと呼びます。イエネズミには、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種類が含まれています。このうち都心によく出没するのはドブネズミとクマネズミです。
ドブネズミとクマネズミは外見が似ているので、ネズミを見慣れていない人だと区別を付けるのは難しいかもしれません。地下鉄や街なかでよく見かけるのは、たいていドブネズミで、ビルなど建物の中で見つかるのがクマネズミです。
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ネズミと人間の付き合いはとても古く。古代エジプトで猫が飼われ始めたのは、穀物を食べるネズミを捕まえさせるためだと言われています。つまりネズミは猫よりも前から人間の周りに住んでいたということです。
ネズミは、穀物や家の中を荒らす困った動物だったはずが、干支のはじめがネズミであるように、ただの嫌われものというわけではなかったようです。ネズミの主役の童話も多いことは、昔の人にとって彼らがとても身近な存在だったことを物語っています。
ところが現代になると、ネズミは病原菌を運んだり電気のケーブルをかじったりというふうな問題を引き起こす害獣として駆除され、人前に出て来ないような対策が取られるようになってきます。いつしかネズミたちは、わたしたちのそばにいながらどこか遠い存在となって行ったのです。
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【読後】
本を開けるごとに、可愛らしいネズミが写っています。鉢植えに、水溜りに、歩道に、ごみ袋に挑む2匹のネズミと。また、建物のほんの少しの隙間から2匹が上下に重なって顔を出しています。何処へ持って行くのか、自分の躰ぐらいの大きさの焼いたサンマをくわえているものもいます。凄いのは、猫2匹に追い詰められて、ちじこまっているものもいます。この本は、ネズミの写真集として出版できるかもと思われる出来です(笑)
2021.05.23読了
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※「月刊たくさんのふしぎ」シリーズの感想と読了日
海と川が生んだたからもの 北上川のヨシ原 2021年03月号 2021.05.23読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/B08T6PBB3G#
うれし たのし 江戸文様 2021年1月号 2021.02.18読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/B08NSB2DN9
おんまつり 2020年12月号 2020.12.07読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/B08L1KF7GY
トナカイに生かされて シベリアの遊牧民ネネツ 2020年11月号 2021.04.10読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/B08J5CYH7F
ポリネシア大陸 2020年5月号 2021.04.07読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/B085RTT76V
アラスカで一番高い山 デナリに登る 2020年4月号 2021.04.26読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/B084QKMX69#
分水嶺さがし 2016年8月号 2021.03.28読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/B01GVTZ40Y#詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人とネズミの関係、ネズミの生態などの解説とともに都心で暮らすネズミの姿をたっぷりみられる写真絵本。東京のまちなかにもネズミがいるのだ、という事実にまずはおどろく。人目につかないように行動するちいさなネズミの姿をこれだけ写真にとった著者もすごい。ネコやカラスに追われる姿など、どれだけ待って撮れたのだろう?
巻末の「作者のことば」を読むと、もっぱらネズミを被写体として追い続けているうちにネズミとのふしぎな信頼関係が築かれているようですごい(ネコ写真の岩合光昭さんもそうだけど)と改めて思った。 -
人間界で嫌われがちなネズミ。
本書はそんな、特に都会に住むネズミが主人公。
とはいえ、べつだん美化していないところが良い。
ただネズミの生態を報告してくれている。
自分もべつだんネズミが好きなわけではない。
とつぜん現れたらきっと、ギョッとするだろう。
でもほんと、「嫌い」という感情の大半は、「無知」によるものなのだなと実感。
ネズミにはネズミの都合があるのだ。 -
町でネズミを見かけたことはないが、実はネズミが忍者のようにすばしこく隠れたりこちらをうかがっているからだそうだ。
この本のネズミはドブネズミ。
名前からして、あまりいいイメージを持っていなかったのだけど、カメラマンが彼らを大好きだからか、写真のドブネズミたちは非常にかわいらしい。絵本やディズニー映画の一場面のよう。
ちょこちょこ食べ物を探したり漁ったり、町の中を走る、走る。
お魚くわえた1枚が気に入ってます。
とはいえ、天敵も多く、常に捕食者から狙われている。
二匹のネコに追い詰められ、それでも生きることを諦めず、毛を逆立てながら立ち向かう姿はベオウルフのようだ。
このあとには触れていない。奇跡が起きたことを祈る。
ファインダー越しにこちらを見つめる好奇心でいっぱいの目をみたら、そら緩むよね。
でも、彼らは人間へ悪い影響を及ぼす菌なんかももってる。見かけても、手を出しちゃ駄目!絶対!…の呪文を覚えておこう。 -
「こちらを見つめるつぶらな黒い瞳。表紙にいる2匹のネズミは、東京の繁華街に棲むドブネズミです。彼らは私たちの近くに棲んでいますが、その姿を見かけることはあまりないはず。著者は何時間も街にたたずみ、カラスに襲われる劇的な瞬間やどこかユーモラスなしぐさなど、驚くような写真を撮影しました。意外と知らないネズミの世界、ちょっとのぞいてみませんか。」
・ネズミを家や近所で見かけないから、親にとっても子にとってもネズミはファンタジーの世界の生き物。絵本や昔話、お話の中にネズミはよく出てくるし親しみあるのに、日本の、都会に生息するネズミの写真を見て、初めてリアルに感じた。あぁ、いるんだ。都会にも、きっと自然の中にも。
・ドブネズミは絵本では悪役で登場することが多く、恐ろしい顔しているのかと思った。かわいいんだね。写真で見る分にはね。でも最近、銀座のネズミが最近子ネコサイズ、大きくなっているとニュースで聞いてギョッとした。大阪の街も朝はネズミがうろうろしているらしい。自分の住む町や、お店にねずみが現れたら困るだろうな。可愛いだなんて思えないのだろうな。
・写真が素敵。どうやって臆病で慎重な野生ネズミの一瞬をとらえたのだろう!?写真から、ねずみたちの表情から、何を考えているのかがわかるような気がしてくる。
「ネズミは、人間の気配を少しでも感じたり、視線が自分たちの方に向いているときは動きださない。そして人間の注意が別の方に向いたことを確認すると、物陰から物陰へサッと移動する。われわれがネズミの姿を見かけることが少ないのは、人の視線や注意がネズミたちから外れているときに彼らが動いているからだ。」
えーじゃぁどうやって写真とったのー!?
・字が多いが、読んであげると小学校低学年でも理解できる。ねずみの気持ちになって聞いていたように思う。子どもたちにとってネズミは友達、好きなもので、害獣ではないのだな。ほっこりとみて、「会いたいな」と言うていた。 -
人間が食べ物を貯蔵するようになって以来人間と密接に生活するようになったネズミたち。中でも街中に生きるドブネズミは、ドバトにもカラスにも追われ、車に牽かれることもある。人間の行動もよく見ていて、視線を向けると動かなくなる。人間の出すゴミを食べしたたかに生きているように見えて、街中の危険にさらされながら生きているのだ。
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写真すごいぜ、わたし、今まで生きててこんなにネズミに遭遇したことないぜ。
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タイトル通り、大都会を生き抜くネズミの生態を写真入りで解説。街の弱小動物の生き抜くしたたかさがよくわかります。
それにしても、写真よく撮れているなぁ。