トッケイは七度鳴く [Kindle]

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  • WPL出版
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感想・レビュー・書評

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  • kindle unlimitedに挙がっていたので拝読。
    終盤の、勘助さんの回想する場面ではついホロっと。大事な2つのメッセージも身に染みて受け止められた気がする。


    序盤は、現代のテレビ業界で働く主人公の描写が多く、この業界に精通していない自分にとっては少し用語や雰囲気を掴むのが難しく感じて読みづらかった。
    けれど徐々に戦中の勘助の取り巻く時代背景や描写が明らかになってきたり、現代の誠太郎の物語も色濃くなるにつれてグイグイ引き込まれていく感覚が鮮明に。

    戦禍ながら共に生き長らえた勘助と夏子の純愛。
    そこにあった2人の繊細にやりとりや感情の動きが本当にみずみずしくて、みるみる荒れ果てる戦地ビルマと真逆のコントラストの様に想像に浮かび上がってくる。

    日韓だけでなくアメリカや旧ソ連も含めた世界的問題に触れていて重いのは確かだけれど、
    ただただ純粋に、勘助と夏子の軌跡に感動したいような…でも未だに根強い問題だから完全度外視では読めない…複雑な思いになりながら読了。

    個人的にはゆかりある地名が沢山出てきて縁を感じる一冊だった。

    とにかくどんな境遇であれ人種であれ時代であれ、万国共通で愛の力は凄い。


    「中途半端な覚悟で立ってる場所では不撓不屈になれん。ええか誠太郎、自分の気持ちにだけは絶対に嘘をつくなよ」

    「悪いときもこの歌のように気持ちを明るく持っていれば、きっと良くなる」

  • このような物語と出会うごとに、当事の真実に近づき、驚き、そして嘆きます
    ですが、ここにある慰安婦との恋は紛れもなく純愛そのもの
    この構成は大好きです

  • バリ旅行した時にトッケイを見たことがあるので読んでみた。

    トッケイはほぼ出ない。慰安婦との恋愛物語だった。
    戦場での恋愛は明日には亡くなってしまうかもしれないから切ないと思った。

    現代と戦時中と交互に物語が進むので読むのが大変だった。

  • 母の知り合いの息子さんが書かれた本を送ってもらったので読みました。小説の形を取っていますが、恐らく、詳しい調査に基づいて書かれた実話なのだと思います。

    以下の点に注意しながら読み進めました。
    ・二国間で歴史および歴史にまつわる事件について共通の解釈をすることは難しい。
    ・その本に書かれている昔の出来事(先の戦争中の時代)を、現在の感覚や常識で判断するのは危険である。

    私の父は徴兵されるには少し若く(終戦時に中学生)母方の祖父は海軍で工廠勤務だったので、最前線での戦争を経験していないので直接聞く機会はありませんでした。ここに書かれているのが、本当に最前線で起きていたことなのだと思います。

    今、世界中はコロナ禍で大変な思いをしていますが、実際に実弾が飛び交う中を生きるか死ぬかの思いをして過ごし、絶対に生き延びるという不屈の精神(不撓不屈)があったので、今の私たちが生かされているのだと思います。このような本を読むと、少しくらいのプレッシャーに押しつぶされてはいけない、もっと頑張らなければ、という気持ちになりました。

    2020年9月22日作成

  • お爺さんが大東亜戦争戦争中のビルマで経験した内容と孫が現在進行している世界を、交互に描いている。戦争シーンでは、痛々しい表現もあるが残酷さは感じられない。この本はを読めば従軍慰安婦についての正しい理解が得られるであろう。実際にデマが報じられた事実もしっかりと織り込まれている。壮大なスケールを感じられる小説で有り、是非映画化してもらいたい。

  • kindleで★4.8獲得した話題の書、ついに書籍版の全国発売が決定!!! 
    ラスト20ページの衝撃を体感すべし!!! 

    弾に当らない伝説の日本兵「神戸のべっさん」が、第二次大戦中のビルマで、1人の慰安婦と恋に落ちた……

    放送作家・水車誠太郎は祖父の遺品の中に一冊の戦記を発見する。その冒頭に戦時中のビルマ(ミャンマー)で慰安婦・夏子を死に至らしめたという衝撃の記述が。時を同じくして娘が留学先の米国で差別的扱いを受けたのが日韓問題が原因だったと知る。祖父の真実を知るため、娘のため、誠太郎は奔走。しかし見えざる力で歴史の闇に飲み込まれて行く。
    時代と国境を越えたハートウォーミングな恋愛ミステリー。ラグビーが結んだ愛が75年後奇跡を呼ぶ。

    終わりの見えない日韓問題の闇にフィクションで迫る感動の長編。

  • ラスト20ページよりも、従軍慰安婦に関する虚偽捏造や、海外共産党との話が印象に残った。どこまで本当かはさておいて。

  • 現代と戦時中の描写が交互に描かれ、事実が明らかになっていく。

    正直、今まで慰安婦問題に関心を持ったことがなかったが、戦地の悲惨な状況や、(真偽は別として)日韓の主張の違いなどを学ぶ良い機会になった。


  • しっかりと調べ上げた歴史の事実によって、誰もが聞かされてきた既成概念を覆すパワーを持つ力作だ。一気に読み終えた。

  • とても読みやすく、感動した。慰安婦と聞くと良いイメージがないが、そのイメージを政治的に悪用されているのだということがわかった。

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